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道楽草  作者: 十三岡繁
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新月

 新月のキャンプ場に、蛍の光を見に行かないかと誘われた。その話をネットで書いたらスピッツの『新月』という曲を紹介してくれる人がいた。


 考えてもみれば新月という言葉は面白い。月を表す言葉なのに、月が無い状態を表している。そんな言葉は他にあるのだろうかと考えてみた。いや、そこは楽をしてAIに聞いてみた。AIは無音とか無色とかを挙げてくれた。しかしそれは似て非なる言葉かなと思う。それが特定の音なり色なりを表しているのなら近いような気はするが、単に無いだけだ。先ほど月が無い状態と書いたが、本当に無いわけでは無い。見えていないだけだ。


 なので無月と書けばニュアンスが変わってしまう。そうして『無』のかわりに付けられているのが『新』なのだ。もうその次の夜からは細いながらも光りだして、その存在感を増していくのだ。だから無を含包しながら始まりを表しているとも言える。

 段々と細くなって行き、遂には見えなくなった状態なので、終月や了月と名付けられていてもおかしくなかったと思うのだが、日本ではこれを新月としたところに、何か胸の奥の方が温かくなるような、そんななんとも言えない感じがする。


 とにかくこのシンプルな二つの漢字の羅列に対して、今更ながらに実に素敵な言葉だなと思ってしまった。こんな話は誰にする事もできないし、まともに聞いてくれる人もいないだろう。ネットで呟くには文字数が足りない。だからこういう事を書ける場があってよかった。


 話は最初に戻って『新月の蛍』という題名の小説はどうかなと思いついた。内容が閃いているわけでは無い。しかしテーマは自ずと決まってくるような気がした。ただ調べてみると、既にそういう題名で書いた人がいるようだ。仕方がないのでひねりを加えてみる。『満月の蛍』ならどうだろう。……何か逆にネガティブな話になる予感がしてしまう。私は出来ればポジティブな話が書きたい方だ。

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