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道楽草  作者: 十三岡繁
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死というシステム

 我々はとかく死というものをネガティブに捉え過ぎだと思います。生は良い事で死は悪いもの…そんなシンプルなとらえ方で果たしていいのかなと思います。


 もちろん生物の本能として、個体としてはなるべく死なずに生き残る方法を模索するのは当然です。しかしながら死というのは、生物の種としての進化の為に生物が獲得したシステムです。太古の生物には寿命というものは存在しませんでした。しかし寿命があれば定期的に世代が交代します。世代交代の中で種全体としては進化が促されるわけです。死ぬことで種が進化するという事で、自然死を待つだけでは無く寿命というもっと積極的に死ぬ仕組みを作ってしまったわけです。


 死が悪いものでないのであれば、自殺を容認するのかと言えばそれも違います。生から死への状態変化は、誰にでもいつかは訪れるものです。寿命なんてものを作ってしまったのでなおさらです。しかしながら今のところ死から生への逆の状態変化は起こりえません。ゾンビは生きていると言えるのか微妙な感じです。どの道いつかは死ぬんであれば、わざわざそれを早めるのは勿体ないですよね。死は恐れる必要はありませんが、自ら進んで移行するような状態でもないというのが私の捉え方です。


 いいことも悪いことも全て人生の調味料です。醬油ベースの料理には、少し砂糖を加えると味の幅が広がってよりおいしくなるかもしれません。しょっぱくなり過ぎた料理は捨てる必要はありません。薄めればいいんです。ご飯と一緒に食べてもいい。捨てたらもうそれで終わりです。勿体ないですね。


 我々がこの世に生を受けた理由は分かりません。…そもそも理由なんてないかもしれませんが、かなりの低確率の上で存在させてもらっている事は確かです。良い事だけでは無く悪いと思えることも甘んじて受け入れて、死が訪れるその瞬間までせいぜい楽しんで暇を潰していきましょう。


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