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道楽草  作者: 十三岡繁
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物を言える立場

 ある有名俳優が、撮影時に一人のスタッフが『臭い!』と上から怒鳴られた時に、『俺も臭いんで消えます』みたいなことを言って、一緒に銭湯に行って汗を流してから現場に戻ったそうです。多分本当にそのスタッフは汗でもかいて臭かったのでしょう。しかし立場上自分の判断では風呂には行けるはずもない。それを許可できる立場の人がそう指示すべきだったところを、その俳優が代行したという事でしょう。俳優も物が言える立場だったわけです。


 正しいと思われる事言いたい事を、立場上ぐっと押し殺して生きている人は大勢いると思います。それに気が付いて方向を示してあげるのは、上に立った人間の責務だと私は思います。それを放棄すれば全体として変な方向へ進んでいく事でしょう。


 今現在日本の街並みを見回して、諸先輩の偉い建築家の先生方はどう思っているのでしょうか? 満足なんでしょうか? 自分の目指していた未来に向かっているのでしょうか? 建築=アーキテクトは建築物=ビルディングではなく行為です。自分の仕事だけでなく、もっと大きく社会に対して物申すというのも建築の行為だと思います。それをきちんとなさってきた尊敬すべき諸先輩方もいらっしゃいます。みなさん声高に日本の未来を見据えて様々な提唱をされてきました。でも今はそんな事をしている人はほんの一部の方を覗いて見当たりません。


 いつから諦めムードに支配されてしまったんでしょうか? 最初から諦めているお前が何を偉そうにと言われそうですが、物が言える立場にいる人は発言する責任があると思います。自分がそこに行けたならそうします。もう正攻法では無理そうですが……。

 

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