アルゼンチン
世界で唯一先進国から発展途上国に転落した国がある。アルゼンチンだ。19世紀末から20世紀初頭、その国民一人当たりのGDPは世界のトップ5に入っていて、スペインどころかオーストラリアやイタリア、日本よりも高かった。それが今や66位である。
そう言えば日本もかつてGDPが世界第二位だった事がある。一人あたりだと世界三位まで行った。今も人口が多いので国全体ではそれなりのGDPになるが、一人あたりだと39位まで落ちた。今の所無策につぐ無策なので、そのうちにアルゼンチン並みになるという不幸な予感さえしてしまう。
アルゼンチンの凋落ぶりに関しては、その要因が様々に分析されている。極めて極端で珍しい例なので研究対象としても興味深いらしい。しかしその珍しい例に日本も仲間入りしそうだ。米の価格高騰は止まらない。「米を買った事が無い」と発言した農林水産大臣は辞任した。そう言えば過去にUSBを知らないサイバーセキュリティ担当大臣もいた。現在金融機関をはじめとして、海外から激しくサイバー攻撃やら何やらを受けて、どうにも首が回らなくなっているのは、随分前に蒔いた種が実って来た結果だろう。
少子化も止まらない。効果の評価もなく反省もしない少子化対策という名のもとに、人々の社会負担は増えに増え、若者もとばっちりをくらっている。逆に少子化を加速してるんじゃないかとさえ思える。今自分がその世代だったら、結婚もしないし家族も子供も持つことはなかったかもしれない。
そうして更にひとつ気がかりなのは、経済的な貧しさや治安の悪化はあっても、アルゼンチンの人たちは映像で見る限り結構楽しそうなところなのだ。日本人にはその感性が無いような気がする。江戸時代から前は日本人口の8~9割は農業従事者で、あまり生活は豊かでは無かったかもしれない。しかしその頃はその頃でそれなりに楽しくやっていたように思う。その精神性はもう薄れている……いや、無くなってしまっているような気がする。それが悪い事だとは思わないが。これから日本の貧困化が進んで、人々がみんな楽しそうに暮らして行けるかどうか……非常に不安である。




