2025年問題
現在は2025年である。日本では2025年問題という物が叫ばれている。団塊の世代という人口ピラミッドで、極端に人数が多い部分がこぞって75歳以上になってしまう。結果日本人の1/5が後期高齢者になってしまうのだ。これはこれで凄い問題なのだが、あまり一般に浸透していない話で、IT業界でも2025年問題というのがある。2025年の崖とも呼ばれている。
旧来のシステムが更新されずにそのまま放置されている事で、2025年あたりから維持の限界を迎えるという問題だ。未だに古いシステムで動いているものに端を発して、日本社会全体で多大な経済損失を被るという予測らしい。そう言えば最近銀行のATMシステムや公共交通システムのエラーが頻発しているような気がする。昨日も高速道路のETCシステムに不具合が起きたという事で、あちこちで大渋滞が起きて大騒ぎになっている。システムが古いならばどんどん更新すればいいと思ってしまうのだが、どうもそちら方面の人材が不足しているらしい。
少子化で人口減なので、人手が足りないのはどこの業界も一緒だが、いまやIT技術は国の根幹に関わるもののような気がする。もし自分が小国の独裁者で、大国に対抗しうるだけの力をつけようと思うなら、核開発などというコスパの悪い所には投資しないだろう。優秀なハッカーを育てて、他国の基幹システムをどうにかした方が手っ取り早い。麻薬を輸出したりしなくても、銀行や決済システムに潜り込んでお金のような物をかすめ取ればいい。というかもしかすると、既にそれは実行されているのかもしれない。
とにかく2025年からはそういった心配があるのだという事は覚えておいた方が良さそうだ。個人でどこまで対策できるかは分からない。IT人材を何とか確保できるようにあの手この手を考え、提案してあわよくば実現させる事ぐらいだろうか?
ここまで書いて、現在2025年なのでこれから起きる事への心配を書いたわけだが、来年になればこの話は去年の事になる。10年後は10年前の話になってしまう。誰かの漫画作品で、文字や文章はタイムマシンのような物だと表現されていたが、確かにそうだと思う。一度書いた文章はあとで改変も可能だが、エッセイの場合骨子は書いたその時代に固定されてしまう。しかし時代の方はどんどんと進んで行くので、どんどんギャップは大きくなっていく。終いには古典になるのだろう。
1000年後にこの2025年を振り返って見て、ここが日本の大きな転換点だったなんて事もあるかもしれない。1000年後の評価として、ここからマイナス方向へ加速していない事を祈りたい。今までの所で既にもう十分マイナス方向に振れていると感じている。




