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道楽草  作者: 十三岡繁
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資本主義の呪い

 日本の失われた30年を振り返って見て、これは資本主義の呪いに反発した結果だったんだろうなと今は思っています。


 ご存知の通り日本は借金まみれです。将来世代につけをまわして、そのお金を我々が食いつぶしている。そんな風に思ってきました。だから増税をしてでも、歳入と支出のバランスをとって、借金も少しずつ返して行かないといけない。一般家庭の家計簿ならば当たり前の話です。しかしどうやらそれは違っていた様です。


 借金してでもお金をまわさないといけないのが資本主義だったという事なんでしょう。当然インフレになりますが、それが正解だったわけです。主要先進国のインフレ率の推移のグラフを見れば一目瞭然です。ネットには各国のインフレ率の推移を比較したグラフが出回っているので、見てみてください。流石にこれはまずいだろうというのは一目でわかります。


 もちろんインフレになれば貯蓄などは目減りします。それで生活している人は困りますし、自分のもっているものの価値が下がる事は残念に感じる人が大半でしょう。しかし実際に働いている人は収入も上がるので、ハイパーインフレは別として、働いている限りは生活に困窮するという事はありません。日本はずっとそうやって発展してきました。だから昔は1円でタクシーに乗れたわけです。年金が貯めたものを切り崩していくのではなく、現役で働く世代が高齢者を支えるという仕組みになっているのはその為です。


 しかし前出の緊縮財政に拘った結果、インフレ率がとんでもなく低くなってしまいました。世界に存在するのが日本だけならそれもいいのかもしれませんが、世界各国は資本主義で動いているところが大半です。社会主義国ですら今は同様の感じになってしまってます。結果として日本は完全に置いていかれてしまいました。インフレや、資源を食いつぶしていく一方の消費社会がいいとは決して思いませんが、資本主義を掲げていく限り、その呪いみたいなものが付きまとうのでしょう。発展し続けなければ死んでしまうなんて、泳ぎ続けないと酸欠になるイルカみたいですね。でもこの呪いは今は受け入れるしかなかったんだろうなと思います。


 実験はトライ&エラーです。日本はこの30年間で完全にそれ以前に頑張って来たアドバンテージを失ってしまいました(国際社会の中でという意味です)。でも失敗なら失敗でいいのかなと思います。失敗からも学ぶことは大きいからです。もう30年間も続けた実験なので、このあたりで終わらせていいんじゃないでしょうか?


 でもそこで変われないんでしょうね。成功体験もあるし、その中でガチガチに色々な事が固まってしまって動けなくなっている……もしかするとそこが今の日本の一番の弱点かもしれないです。しかし結局舵取りは選挙権を持っている国民に委ねられているという事も忘れてはいけないと思います。

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