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道楽草  作者: 十三岡繁
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突然死

 高校の同窓生は全国各地に散らばっています。なので福岡に移住した今も定期的にOB会が開かれていたりします。そうして昨日の集まりで、新たに同級生の死を知りました。


 既に歳もいってきましたので、病死、事故死、自死など既に同級生は何人かは亡くなっていますが、今回は突然死です。同級生の突然死は知っているだけで二人目です。事故死と同様で突然死はきついなと思います。仕事もそうですが家族の存在があるからです。通常の病死であれば、色々と身辺整理できる時間もあると思いますが、ある日ある時突然に人生が終わってしまうというのはきついです。


 死後はどうなるとかそう言う話は一旦置いておいて、一気に強制的に社会や家族と物理的にですが縁を切られてしまう……。老後に向けて貯金したり資産を運用している人もいるでしょう。仕事を引退した後に、趣味や旅行に没頭する事を夢見ていたかもしれません。子供が独立していなければ、その未来に自分の夢も重ね合わせたりもしていたかもしれないですね(子供には迷惑ですが)。それがある日テレビの電源が突然落ちるように、消えて無くなってしまうわけです。


 もしかしたら当の本人ですら、よく分からないうちに亡くなってしまうのかもしれません。これは本当に怖い話です。ただ量子力学によれば、この世界での存在も出来事も全ては確率と関数があるだけで、観測しない限りは確定しないわけです。そうしてその観測と認識は勝手に人間の脳みそが、そう判断してある種錯覚しているようなものです。言い換えれば人の数だけ、それぞれの世界が存在しているわけです。なので突然死は周囲にとっては驚くべき突然の出来事であっても、本人にとっては自分の人生だけでは無く、宇宙も同時に終わったという事になるのかもしれません。


 宇宙が終わってしまっているのだから、どうか残されたものの心配などしないでください。故人のご冥福をお祈りいたします。

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