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道楽草  作者: 十三岡繁
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日本遺産『西の都』

 福岡にある日本遺産、『西の都』が取り消しになったらしい。『日本遺産』自体があまり聞き慣れない言葉だが、『世界遺産』にあやかって、指定地域の観光振興に寄与しようという狙いらしい。日本全体で100箇所位を目処に入れ替えをしていこうということだ。『西の都』は福岡県の大宰府を中心とした一連の史跡をそういう名前でまとめたものらしい。地元での認知度が低く。構成している史跡同士の連携もできていないということで今回外されたようだ。但し候補地域ではあり続けるようなので、利があるなら今後の再指定を狙ってもいいだろう。


 太宰府自体はそんな肩書が無くとも、連日観光客でごったがえしているのでどうでもいいような気もするが、その周辺には本当に色々と面白いものがあるのに勿体ないとは思ってしまう。海外や国内でのアピールどころか、地元の人たちも知らなかったりするところが少なくない。


 現在ホームページの方には、単に史跡を羅列して、周遊コースを設けているだけだが、これではコンテンツとして弱いと思う。特に観光誘致目的とするなら視点を変えてはどうだろうか?

 既に史跡に含まれている宝満山、天拝山に大野城(四王寺山)はトレッキングコースとしてフィーチャーする。宝満山以外はお年寄りでも歩ける難易度だ。山好きの外人も多いだろう。宝満山以外は富士山と違って、軽装備でも登れる。ただ個人的には糸島の高祖山(吉備真備が計画した怡土城)も加えて欲しい。


 天拝山麓の『御自作天満宮』は、ご神体が道真公が自作した自分の像だなんて凄い話だ。世界中のフィギュアファンの聖地に祭り上げたらいい。近くには公園があるので、何かしらの等身大のフィギュアを置いてもいいし、世界各地から陳列する作品を募ってもいい。更に周辺にその手関係の店があってもいい。


 古来からの寺社仏閣からインスピレーションを得た作品の聖地として、竈門神社と溝口竈門神社、西鉄五条駅あたりもおいしい場所だ。まぁそのあたりは今更宣伝しなくても、勝手に多くの観光客が押し寄せてはいる。


 現在その『西の都』には福岡市内の史跡は含まれていないが、飛鳥・奈良時代の日本の海外への窓口であり、迎賓館でもあった鴻臚館跡(大濠公園)を外してはいけないだろう。ここには既に資料館が建っていて、その前には球場跡地の広大な広場がある。突発的なイベント会場になったりはするが、普段遊ばせておくにはもったいないような気がしている。ここには平安時代を再現した街並みを作って、江戸村ならぬ平安村としてみてはどうだろう?


 ついでに糸島市ではあるが、国宝盛りだくさんの伊都国歴史博物館も加えて頂きたい。当然三種の神器が出た平原遺跡も言わずもがなである(ただこのあたりは宮内庁あたりとちょっと揉めそうな気がする) 。博物館の運営と広報は糸島市だけだと予算も厳しそうなので、いっそ福岡市立博物館と合体させたらいいんじゃないかと思っている。定期的に伊都国の方の陳列物を市立博物館の方でも展示すればいい。もちろん金印も伊都国の方へ貸し出したらいい。伊都国の方は先述の平原遺跡や高祖山にも近いが交通の便は良くない。但しスポットは固まっているので小型の観光バスを運行してもいいかもしれない。


 ああ、トレッキング好きには、高祖山から登って叶獄まで縦走してもらってもいい。叶獄山頂にある神社は、神社なのに御神体が仏様である。神仏習合があったとはいえ、ここまではっきりいい切っているところは珍しいのではないだろうか?


 高祖山に登るのであれば、その登り口にある高祖神社も忘れてはいけない。ここは同じく糸島市にある櫻井神社と合わせて、国の重要文化財に指定されたばかりである。


  西の都ということなので、今回外したが発見当時日本最古の水田跡であった福岡市内の『板付遺跡』はまた今度紹介させていただこう。この話になると熱がこもってつい長文になってしまう。福岡を観光される人は、是非ここまでに挙げて来た場所を調べてみる事をお勧めする。

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