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道楽草  作者: 十三岡繁
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責任

 今、所得税の103万円の壁がどうなるかが話題になっている。この額は1995年に引き上げられてから29年間据え置きになっている。奇しくも空白の三十年と同じくらいの期間である。


 確かにこの間デフレで国民の所得は上がらなかったので、そこを変えようという議論が起こらなかったのかもしれない。しかしその間社会保険や消費税などの国民の社会負担はジリジリと上がっていった。もちろん一般的な国民の生活は苦しくなっていった。


 現在少子高齢化もあって、労働力が不足している。デフレからインフレに変わりつつあるこの局面で103万円という金額を引き上げるのは、実に理にかなっている。それに対して抵抗する意味が分からないほどである。


 ガソリンの値上がりが止まらない。そこでガソリンにかかる暫定税率の廃止にも注目が集まる。読んで字のごとく暫定措置である。しかしその歴史は古くなんと1974年からなので50年間もの間の暫定なのである。もうこれは暫定ではないような気がする。ガソリン税の増税ということで、国民が納得するならそれもいいかもしれないが、なんとなくごまかしに騙され続けているような気がする。


 ガソリンの暫定税率はともかく、三十年前といえば自分はすでに成人どころか社会人になっていた。今この歳になって税金も社会制度もおかしなところだらけだなと思うのだが、若かりし頃は全く関心がなかった。税率も社会保険料もそういうものだろうと、なんら疑問も持たずに受け入れてきた。長らくサラリーマンであったので、当然それらは給料天引きだった。関心を強く持ち始めたのは独立して社会的には自営業者となった後だろう。


 本来は若い頃からもっと社会に関心を持って、何かしらの行動をすべきだったのだろう。言い訳になるかもしれないが、当時仕事は残業時間が月三桁の激務であったし、今のようにネットを使って社会に働きかけられるようなツールもなかった。


 しかし何事も諦めたらそこで試合終了である。折角関心を持てて、今なら社会に発信できるツールも存在しているのだから、どんどんおかしいものにはおかしいと声を上げていかなければいけないなと思う今日この頃である。自分たちよりもっと上の世代の方々では、一部の例外を除いては、ネットで社会に働きかけるというのも無理だと思う。そのあたりは我々世代の責任が大きいように思う。ここで動かなければ次に続く世代に申し訳がない。

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