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道楽草  作者: 十三岡繁
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相対

 我々は普段は意識していなくても、外部から様々な力の干渉を受けている。例えば地球は自転しているので、じっと動かない様にしていても地球と一緒に動いているのだ。それは時速に直すと1600Km。高速道路どころかリニアモーターカーの比でもない。そうして地球は太陽のまわりを公転しているのでもちろんその動きにも追随している。これは時速換算で10万Kmだそうだ。更には太陽も銀河系においては回転運動をしているのでそれにも乗っかっている。これは時速85万Kmという事だ。更には宇宙は膨張していて銀河も動いている。それは時速216万Kmという事で、ここまで来ると……いや公転のあたりからもうよく分からない速度だ。よく中世までは宇宙が地球を中心に回っているなんて事を信じられたものだと思う。


 因みに有人飛行体の最高速度の記録はアポロ10号の39,897km/hだそうで、地球の公転速度の半分にも満たない。地球を有人飛行体と考えるならば、未だにこの地球こそが最速の乗り物なのだ。最も何に対しての速度なのかという事が重要になってくる。結局速度なんてものは何の何に対してのものなのかという数字でしかない。アインシュタイン博士はよくぞ相対性理論と名付けたものだと思う。


 宇宙に中心なんてものが存在してくれていれば、そことの関係で全ての物の移動速度は比較する事ができるし分かり易い。しかしそんなものはどこにもない。いや、逆に全ての点が宇宙の中心であるという考えも方もある。最初に宇宙自体が一つの小さな塊だったのだから、爆発の中心は全ての場所なのだ。そう言った意味では運動の中心は、地球どころかいつでも自分自身と捉えることもできるだろう。なるほど天動説はあながち間違いでは無いような気もしてくる。自分が中心で、世界はそのまわりをまわっているだけに過ぎない……但し、中心なのは自分だけではない。世界の、宇宙のすげての点が中心なのだ。天動説にあやかって世動説とでも名付けようか? もしシミュレーション仮説を正とするならばそんな世界観も無しでは無いような気がする。

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