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道楽草  作者: 十三岡繁
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焚火

 キャンプのお供といえば焚き火がある。

この木を燃やすというシンプルな行為の、一体どこに魅力があるのか?


 昔からの生活習慣か遺伝子に刻まれているからなんだろうか?自分でも良く分からない。でも、理屈抜きで楽しい。


 小さな火からはじまって、それを段々と大きくしていく。ある程度まで大きくなったら、その火を維持しなければいけない。薪をくべるだけではなく、位置を組み替えたり、火吹き棒で空気を送ったりと、意外とやるべきことは多い。


 ではその労力の報酬は一体何なのだろうか?


 もちろん冬の寒い日は暖がとれる。安定した火力になれば、煮炊きができて調理にも使える。


 しかし自分が一番の報酬として思うところは、無心である。


 風の向きを考えたり、燃え広がり方を考えたりと、頭を使わないこともない。しかしそれらは感覚的なものの延長線上にあって、社会生活を送る上で使わなければいけない脳みそとは全く違う部分である。


 とにかくひたすらに、目の前の火を燃やすことに集中して他のことは何も考えていない。


 これは結構気持ちがいい。運動選手なんかが集中したときには、必要ない情報は一切入ってこなくなるという話はよく聞くが、大げさに言えばそれに近いものがあるのかもしれない。


 日が暮れたときはあれほど恋しかった火の存在も、日が昇って暖かく、いやちょっと暑くなってくると変わってくる。焚き火をしようという気にはもうならない。


 もうすぐ本格的に春がやってくるんだろうなと、何もない…いやなんでもあるこの地で思う。

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