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道楽草  作者: 十三岡繁
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機械のの為の建築

 「住宅は住むための機械である」というのはに二十世紀最大の建築家ともいわれるル・コルビジェの言葉である。古来から倉庫や畜舎などの特殊なものを除けば、大体建築というのは人間の活動の場として作られることが主だったと思う。


 今度福岡の糸島市に、かなり規模の大きいデーターセンターができるらしい。専門外なので詳細は分からないが、その建物の主役はコンピューターなのだろう。機械の為の建築である。時にはメンテナンスで人が立ち入ることもあると思うが、基本的にはコンピューターを中心に考えて設計されることになるのだろう。機械が発する熱を考えての空調計画、きっと自然採光は必要ない。非常用の電源は必須だろうし、耐震性も通常の建物から割り増すような話を聞いた。


 日本には建築基準法というものがあり、人間がその内部で活動する事を想定して色々な事が決められている。ただ、その建築物の内部空間に関しては居室と非居室という線引きがあり、どちらになるのかで法的な扱いが違ってくる。居室とは人間が継続的に活動する場所を指し、住宅で言えば普通の個室やリビングにダイニングはこれにあたる。事務室や店舗も同じだ。非居室は人間が滞在しても一時的な場所、例えば便所や浴室は基本的に非居室にあたる。何らかの保管の為だけの倉庫ももちろん非居室である。


 それではデータセンターのサーバー置き場はそのどちらに当たるのだろうか? 保守管理で中で人間が一時的に作業をする位であれば非居室扱いになりそうだ。しかもその作業は、いずれ遠隔操作したロボットなどが行うとなれば、完全なる非居室だ。機械の為の建築……データセンターをコンピューターの為の住宅と考えて、コルビジェの言葉を借りると「機械が住むための機械」とも言い換えられるかもしれない。


 以前人間の居なくなった地球上に、機械の為に機械が建築を作るという学生さんの建築構想?を見たことがあるが、案外的を得た未来予想だったのかもしれない。もし人間が居なくなった場合、建築はどこに行くのだろう?

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