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道楽草  作者: 十三岡繁
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変態

 農業が始まって工業が発展して、文明や科学が発達すると社会の主要産業は高次産業へとシフトして行きます。第二次産業(製造業や建設業など)で世界を席巻した日本の産業も第三次産業(金融、医療など)では後れをとりました。


 そうして私は情報通信産業と呼ばれるものは第四次産業と呼んでもいいと思っていて(既にそう呼んでいる人もいます)、更にそれをベースにしたサービス(アマゾンやグーグルなど)は第五次産業と言ってもいいくらい、社会と人の生活を変えたと思っています。しかしここでも日本は大きく後れを取りました。今日本で享受できるネットを使ったサービスも、その殆どはアメリカなど他国の技術をベースとしたものです。


 結果として日本人の所得は主要先進国では最下位どころか、アメリカの半分以下…見方によっては1/3まで落ちてしまいました。かなり悲観的な状況ですが、実は未来はそれ程まっ暗では無いかなと思う部分もあります。そう、第五次産業の次には第六次産業がやってくるからです。では第六次産業には何が来るのか……分かりやすく言うとコンテンツそのものじゃないかと思うんです。コンテンツを使った事業は先に書いた第六次産業と同じですが、創作などの行為そのものも、社会が高次化していけば産業になり得るんじゃないでしょうか?


 多分どんなにアメリカ人のアニメーターや漫画家ががんばっても、日本のアニメや漫画は作れないでしょう。この分野では中国や韓国ではかなりレベルが上がってきていると思いますが、それでも根本的に違います。漫画なら読めば分かってしまいます。


 下世話な話になりますが、日本のAVは凄いです。アダルトビデオの方です。何を馬鹿な事を……と思うようなものが自由な発想で大量に作られています。多分これも世界のどの国も真似ができないレベルだと思います。海外でも日本のシチュエーションを真似たものが作られていますが、レベルが全く違うと思います。漫画やアニメ等のメジャーなコンテンツとは性格は全く異なりますが、根っこは同じところにある様な気がします。


 建築の設計業界では『変態』は誉め言葉です。世界における日本人の立ち位置は『変態』と呼ばれるに相応しいものだとすら思ってます。日本は世界が打製石器の時代に磨製石器をつくっていました。もうその頃から日本人の変態性は確立していたのかもしれません。縄文時代の終わりから、だいぶ大陸から人間が入って来て混血が進みました。しかしそれでもこの島国の変態性は受け継がれていったんだと思います。生物としての遺伝子を超えた何かが土地や風土にあるのかもしれません。


 しかしその日本人の特性は次の時代の重要なキーワードになる予感がしています。それこそAIや細かい動作が出来るロボットなんかが作られるようになると、人間の労働は殆どが肩代わりされてしまうでしょう。でもそれらは果たして変態になれるでしょうか? それは人の持つ最大の特徴であり、幸運にも日本人に強く備わった、ある種才能なんじゃないでしょうか?


 最もそんな未来を妄想する私自身が変態なだけかもしれません。

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