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道楽草  作者: 十三岡繁
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第四の波

 かつて未来学者のアルビン・トフラーが、第一の波・農業革命、第二の波・産業革命、第三の波・情報革命と言っていたが、ここのところのAI技術の発達は第四の波と言ってもいいんじゃないかと最近思う様になってきた。


 第四というには第三と似通い過ぎているという印象を持つ人もいると思うが、何かこの二つは全然違う物じゃないかと最近感じ始めているのだ。

 どちらも半導体産業が支えているのものだから、AI技術は情報産業から派生した一部の技術だという受け取り方を今まではしていた。しかし、ここのところの急激な半導体需要の増加は紛れもなくAI技術の発達にけん引されている。製造……ハードとソフトの双方向が影響し合う事で、進化スピードが飛躍的に上がっているような気がする。


 情報革命は、人類の知識の集積と交換を可能にしたという事で、これは確かに農業や産業革命に匹敵する文明の転換点だが、AIは人間の持つ機能の中で最も高位にある、思想や思考という領域にまで踏み込んできているような気がする。


 普段建築はモノではなくてコトであると私は言っているのだが、第一~第三の波はモノを中心とした変革であるのに対して、AI技術はコトに近いような気がする。

 以前からコンピューターの計算能力が、全人類の頭脳を合わせたそれを超える時点をシンギュラリティー、技術的特異点と呼んでいたが、これは半導体の容量や計算能力の増加というものをベースに予想されていた。確か2047年あたりというのが広く言われているところだったが、ハードだけでなくソフトの進化がこの年数をもっと近くしてしまうような予感がする。

 

 2047年だと自分は生きているかどうか微妙……というか生きていても大分ボケ気味になっていると思うので、これが早くなってくれるというのであれば結構しっかりと見届ける事ができるかもしれない。

 そうしてその前とその後で世界は劇的に変わるだろう。それは第五の波と呼ぶべきものかもしれない。そうしてそこから先は波で区切る様な事も無くなるような気がする。


 そう考えるとかなりの楽しみであり、生への執着はあまり強い方ではないが、生きながらえて目撃者になりたいという欲が出て来る。

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