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私を好きだという男は、私の周りの人間から仲良くなり私を好きにさせる気だ!

作者: 七瀬







私は彼の【告白】を一度断った。

彼もしぶしぶだが、諦めてくれたものだと思っていた。

でも? “本当は違った。”

彼は作戦を変えただけだった。

私と仲がいい友達や仕事の先輩、私の家族に私の知らない間に近づいて

仲良くなろうとしていた。



『渚ちゃんとは随分と仲良くさせてもらってます。』

『えぇ!? ウチの渚と?』

『渚ちゃん? 何もボクの事、話してないんですか?』

『えぇ、渚とはどういう関係?』

『“ボク達、お付き合いさせてもらってるんですよ。”』

『あら? あの子ったら、私達にそんな事! 一言もいわないで。』

『いえいえ、きっと恥ずかしいんでしょうね。』

『そうなのかしらねぇ~渚の事、これからもよろしくね太史くん。』

『勿論ですよ、お母さん!』





 *




『あぁ! 渚ちゃんと仲がいい陽ちゃん?』

『えぇ!? 誰ですか?』

『ボク、渚ちゃんと今付き合ってる若石太史といいます。』

『“若石太史?”』

『渚ちゃんからボクの事、何も聞いてないんですか?』

『・・・聞いてませんけど、』

『アイツ、照れ屋だから! いやいや陽ちゃんの事は渚ちゃんから

よく聞いてますよ! 彼氏とうまくいってない話や今一番欲しいモノが

あるんですよね? これ、ボクからのプレゼントです。』

『何ですか?』

『はい!』

『わーあ! ずっと欲しかった○○だー!』

『良かった! 喜んでもらって。』

『でも? こんな高価なモノ受け取れませんよ。』

『いいんですよ、渚にその分は【愛情】で返してもらうんで!』

『渚にこんな“ステキな彼氏がいるなんて! 羨ましいわ~”』

『じゃあーまたね陽ちゃん!』

『“今度会う時は、渚も入れて3人で会いましょね!”』

『勿論! 3人で会いましょう!』





 *




『渚が職場で仲良くしている先輩の相原さんですか?』

『・・・何処かで会った事がありましたっけ?』

『“本城渚の彼氏の若石太史といいます。”』

『えぇ!? 本城さんの彼氏? 聞いた事ないけど。』

『彼女、凄く照れ屋なんで! ボクの話を職場でしないんでしょうね。』

『その本城さんの彼氏がわたしに何の用ですか?』

『これ! 彼女から先輩の相原さんに渡すように言われてまして。』

『えぇ!? こんな物、受け取れません!』

『是非、受け取ってください! 彼女も喜びます。』

『・・・本当に、いいんですか?』

『勿論ですよ! 受け取ってください!』

『じゃあーお言葉に甘えて、ありがとうございます。』

『お礼は彼女に言ってあげてください、きっと渚も喜びますから。』

『分かりました、じゃあ何処かでまた。』

『そうですね、また!』







・・・彼は私の知らないところで私と仲がいい人達と勝手に会って

仲良くなっていった。



プレゼントをもらった友達が突然! 私に電話をかけてくる。

どうやら? お礼を言うために電話をかけてきたようだ。



『渚、ありがとう!』

『・・・何が?』

『アンタ! いつから彼と付き合ってたのよ!』

『えぇ!?』

『トボケないでよ! 若石太史って人よ!』

『彼が陽に会いに行ったの?』

『どうしたのよ? 渚の彼からプレゼントまでもらったのよ。』

『えぇ!?』

『ほら? 前から欲しかったモノ! あれよ!』

『なんで! “私の彼氏でもない人からプレゼント貰ってんのよ!”』

『えぇ!? 渚と付き合ってんじゃないの?』

『“逆よ彼から告白されて私が彼をフッたのよ!”』

『・・・そ、そうなの、』

『プレゼントは悪いけど、彼に私から返しておくわ!』

『ごめん渚、おかしいと思ったんだけど? プレゼント貰っちゃった。』

『別に陽が悪い訳じゃないよ。』

『本当にごめんね。』

『だからもういいって。』







・・・その後は、私の母親からや職場の先輩からも直接私に彼の

事を言われる。

私がフッた男が、私の周りの人達と仲良くなるのは気持ち悪い!

好きな男性ひとならまだしも!

フッた男にそうされるのは嫌だ!

これは! “完全に彼は私のストーカーだと思う!”

どうにかしないと? そのうち、彼に何をされるか分からない。

明日にでも直ぐに、“警察に届けよう。”


















 *




『ずっと、渚の帰りを待ってたよ。』

『以前も言ったけど? “私は貴方をフッタのよ! 分かってる?”』

『分からないよ、ボクは既に渚の周りの人達と仲良くなってるからね。』

『警察に届けるわよ!』

『渚がそうしたいなら、そうすればいいよ。』

『いい加減にしてよ!』

『“ボクは渚の彼氏になるまでは絶対に諦めないからね!”』

『・・・・・・』

『それが渚の運命だよ。』



最後までお読みいただきありがとうございます。

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