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女人禁制

作者: ツヨシ

私が住んでいた土地、小さな港町の沖には女人禁制と言われる島がありました。

サッカーコート半分くらいの大きさの島で、島の中には小さな祠があると言います。

そこが何故女人禁制なのかは私にはわかりません。

昔からそうだったし、小さな町の人は、みなそれを守っていました。

ところが他県から嫁いできた女が、今時女人禁制なんてありえない、と騒ぎ出しました。

夫も女の義父も、その他の男たちまでもがたしなめましたが、女はへらへら笑っているばかりです。

そしてある日、義父の釣り船を勝手に借りて、その島に上陸してしまったそうです。

夫も義父もその他の男たちもたいそう怒りましたが、やはり本人はへらへらし、そればかりではなく、島に上陸したことをまるで武勇伝のように自ら周りに広めました。

町の人たちの女を見る目が変わりましたが、本人は一向に気にしていない様子でした。

そんな折、女が妊娠していることがわかりました。

結婚五年目にして初の子供で、夫も義父も、島のことなどなかったかのように喜んだそうです。

そしてその後、女は子供を産みました。

話によれば、女は自分が産んだ子供を見て気がふれてしまったと言います。

今も入院中です。

その女の産んだ子供がいったいどんな子供だったのか、その後子供はどうなったのか、私は知りません。


       終

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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)コレ……すごいインパクトある作品ですね。これだけ短い噺でありながら、惹きこませて溝に埋めてく感じ。ツヨシさんならではといえばならではだけど、突き落とされました。最後で言いきってないの…
[良い点] えっΣ(O_O;)! これすっごく、タイトルからしてタダ事ではないですね?! 私でも、渡ります!! 女人禁制など聞き捨てなりません。第一、中性人間はどうすれば良いのでしょう?! 勇敢な余…
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