女人禁制
私が住んでいた土地、小さな港町の沖には女人禁制と言われる島がありました。
サッカーコート半分くらいの大きさの島で、島の中には小さな祠があると言います。
そこが何故女人禁制なのかは私にはわかりません。
昔からそうだったし、小さな町の人は、みなそれを守っていました。
ところが他県から嫁いできた女が、今時女人禁制なんてありえない、と騒ぎ出しました。
夫も女の義父も、その他の男たちまでもがたしなめましたが、女はへらへら笑っているばかりです。
そしてある日、義父の釣り船を勝手に借りて、その島に上陸してしまったそうです。
夫も義父もその他の男たちもたいそう怒りましたが、やはり本人はへらへらし、そればかりではなく、島に上陸したことをまるで武勇伝のように自ら周りに広めました。
町の人たちの女を見る目が変わりましたが、本人は一向に気にしていない様子でした。
そんな折、女が妊娠していることがわかりました。
結婚五年目にして初の子供で、夫も義父も、島のことなどなかったかのように喜んだそうです。
そしてその後、女は子供を産みました。
話によれば、女は自分が産んだ子供を見て気がふれてしまったと言います。
今も入院中です。
その女の産んだ子供がいったいどんな子供だったのか、その後子供はどうなったのか、私は知りません。
終