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17 昨日の振り返り





 はっちゃけ過ぎました。


 何でしょう?

 クズから逃れた安心感でしょうか。

 貴族ではなくなった解放感でしょうか。


 今迄の節制や鬱屈の反動が来ている気が致します。


 そのせいか、何か忘れているような気もするのですが・・・


 あぁ、思い出せない。


 そういう時は無理に思い出そうとしても無駄かも知れません。

 まぁその内思い出すでしょう。




 昨日の催しは大盛況の内に幕を閉じました。


 参加出来たのが領内の人達だけだったのが若干残念です。


 あ、でも何人かは外から来ていた商人さんや護衛でついて来た冒険者さん達もビーチフラッグで活躍されていたようです。


 まだ安定営業の見通しとか立てていないですけれど、宣伝お願いします。




 今日は、昨日があれだけの騒ぎだった事もあり、街の皆様も大切な日々の営みに戻られると思いますので、お試し営業はお休みです。

 お天気も微妙ですし。



 今、昨日の売り上げなどを纏めています。

 

 エアボール海底遊覧は、まぁ無料券大盤振る舞いの上に子供無料で、初めから採算を求めていませんでしたが、それなりに街の大人の人も自腹でリピートしてくださったようです。ありがたや。


 何となくわかっていましたが、一人乗りは若干不人気で、カップルタイプか、ファミリータイプが人気でしたね。


 費用対効果が大きいからでしょうかね。


 あの後、巨大パチンコの射出サービスは一部の人に大人気と成りました。


 が。


 興味は有っても様子見に終わる人は、どうしても多いですわよね。


 傍から見ると「うわぁ・・・」でも、実際乗ってしまうと楽しさがわかるものですが、なかなか、ねぇ?儘ならないものですわね。


 ちなみに、キースフェルト様とセルバンティス様の護衛のお二人。


 ナイトレイ様はエアボールが射出した瞬間うっかりお口から魂が漏れ出たそうですが、直ぐに正気を取り戻され、順応されたようです。


 レスティ様は射出した瞬間完全に失神され、ナイトレイ様が遊覧の間ずっと介抱されていたのだとか。あら、BがLしてしまいますのかしら?


 戻られた時には意識を取り戻されていましたが、ふらつかれたのか、ナイトレイ様に抱えられるようにして降りていらっしゃいましたわ。


 こういうものは、得手不得手がハッキリ分かれるものですので、責めたり気にされたりされないようにと、皆様にも説明致しましたわ。

 勇気や意気地の問題とはまた違いますのよね?確か。


 ナイトレイ様とレスティ様の寄り添う姿は眼福でした。



 魔道具専門店の方は、昨日はホントにひっそりとしておりました。


 店内のものは、やはり庶民の方にとっては、非常に高価ですし、若干使い処の無い品も多いです。


 えぇ、店内の売り上げは皆無です。


 ただ、店の入口に設置したガチャの方は、ビーチフラッグの参加賞にしたお陰もあって、結構減りました。


 三回戦の参加賞でしたが、部門も三つに分けたお陰で結構な人数と成りましたし。


 あ、でも、参加賞以外でもガチャを回してくださった方も数名いましたわ!!


 無料で回して、欲しかった物が出なかったパターンですかしら?


 大して必要でないものでも変に意地に成って、本命が出るまで挑戦してしまったりするのが、ガチャの怖いところですよね。


 大抵小銭が尽きたところで我に返ります。別名()()()()()()()()()()ともいう。


 そしてダブりや不要なものの処遇に頭を悩ませる事と成る。ガチャ沼の恐怖。(笑)



 お手伝い頂いたセントール領主館の皆様に、お礼にガチャの魔道具をカプセルのまま、つまり()()()()で二つづつ選んで貰いました。


 開けて見てから悲喜交々。


 皆様で取り換えっこしてくださいませ。


 領主館の皆様での一番人気は、意外にも『悪意対象反転』だったそうです。

 ()()()()()・・・!!


 そう言えば、自腹でガチャを回した方は、どれがお目当てだったのでしょうか?

 謎。





 ともあれ魔道具ガチャに需要が有った~!!と喜んでいたら、通り掛かったナイトレイ様に「あ、それ、私もキースフェルト様のお付き合いで挑戦させて頂きました」と大変爽やかな美しい笑顔で申告されてしまいました。


 ()()()()~っっ!!


 思わずガックリ。


 いえ、有難いのですけど有難いのですけど!


 身内の消費って、()()()()


 世間の需要は遠いのかしら?


 所詮貴族的発想でしかなかったのかな~・・・



「私は『閃光』の魔道具が当たりました。使い処が有りそうで楽しみです」


「それならよかったです」


 嬉しそう仰るナイトレイ様にお礼を告げると、ふふっと微笑みながら襟元のピンバッジに触れられる。カラフルな小鳥のデザインだ。

 よく似合われている。


「こういうのはいいですね。驚く程の安価で、確かに効果も我々にとってはささやかですが、魔法が身近でない者にとっては、途轍もないものです。何より縁遠く感じていた魔法や魔道具を身近に感じる切っ掛けに成ります。ガチャを何度も回して数を揃えようと思う者が、きっと出て来ますよ」


「まぁ、願ってもみない評価ですわ。ありがとうございます」


 ナイトレイ様のお言葉は、ある意味一番聞きたかった言葉だ。


 ほんの悪戯心や思い付きに過ぎない発端だが、こんな風に言って頂けると、何だか報われたような気に成る。


「いえ、お礼を申し上げるのはこちらの方です。採算の方さえ問題無ければ、こういう魔道具が市井に広まる事を切に望みます」


 さらりとこちらを喜ばせる事を仰って、「では」とナイトレイ様は颯爽と立ち去った。


 イケメン。









お読み頂きありがとうございます。

感想とか評価とか頂けますと幸いです。

次回もお立ち寄り頂けますと嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

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