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初日から最悪だ

周りから人の笑い声が聞こえる。


世間からしたら楽しそうな雰囲気が出てると思われているんだろうけど、僕からしたらカースト下位の人間を嘲笑っているように聞こえる。


その笑い声をよそに今日も僕は学校へと向かう。


今年僕は高校生になって数週間、クラスに全く馴染めていなかった。


極度のコミュ障を拗らせてしまっているため、初めて顔を合わせる人と話せるはずもなかった。


高校生活こそは友人ができたらいいなと思い、人生の中で1番と言えるほど勇気をだして声をかけてみたものの、気づかれることなく終了。


−−−心が折られた。


そんなことを思い返していると、教室へ着いた。


席の位置は端っこで1番後ろ。自分の性格も合わさり、もはやTHE陰キャだ…。


話すやつもいないし、気分も上がらないし、さっさと席について机に突っ伏すことにしよう。


しかし、突然声をかけてきた人がいた。それも女子で。


「あの…顔色悪いけど大丈夫…?」


え、めっちゃ美人さんじゃん。なんで僕なんかに話しかけてくれたんだろう…。


「あ…その、はい、大丈夫、です…」


キョドっちまった〜〜〜!!

そりゃキョドるよな!?

こんな美人に話しかけられたことなんて今まであるわけない!!


「それならいいのですが…保健室とかは?」


気遣いもしっかりできてる。完璧すぎる…。


「あ、いえ、大丈夫です、すいません…」


無理無理無理無理まともに話せない。

しかも周りがヒソヒソこちらを見て話している。

そりゃただでさえこの目の前の人は美人な上、イケメン陽キャ男子とかではなく陰キャ男子の僕と話してるんだ。

そりゃあ周りもあんな反応するわけだ。


流石に耐えられないので、トイレに逃げよう。





「はぁ…」


逃げてきちまったな…

わざわざ話しかけてくれたのに申し訳なくなってきたな。

せっかくだし、また後で全力で勇気出して声かけてみるか…


そう思っているとチャイムの音が聞こえた。


「やべ、早く戻らないと」


そうしてトイレを後にした。



教室へ戻り授業を受ける。

あいにく自分は勉強が得意ではない。むしろ嫌いだ。

面倒くさいし、面白くもない。

当然やる気が出ないのでもう寝ていよう。


すると突然誰かが喋りだした。

顔を上げると先生が生徒を指名して答えを聞いていた。


その生徒は、先程の美人の女子だった。

答えを自信に溢れた話し方で答えている。

勉強もできるのかこの人…強すぎる…


そんなこんなで授業は終わり。終始結局寝ていただけだ。

休み時間中、教室にはあまり居たくないのであまり人気のないところを探そうと思う。


明らかに誰も来ないであろうスペースを見つけ、そこでスマホをいじる。

すると、またしても声をかけてくる人がいる。

そう、ご存知の通り美人さんだ。


「え、あ、ついてきたんですか…?」


「すみません!どうしても気になってしまって…」


そんなに具合悪そうか僕。

まあでもわざわざ話しかけて気遣ってくれてるのはありがたいことだ。

せっかくだし、頑張って交流してみよう。


「えと、具合なら悪くないですよ…?元々こんな顔つきとかなので…」


「いえ、具合が悪そうというのもありますが…それ以前にクラスの皆さん、誰も貴方へと見向きもしないので…」


うっ。

この人、だいぶえぐってくるな。

気にしないように思っていたことをピンポイントでぶち抜いてきやがる…。


「ああ…まあ…こういう類の人間なんでそりゃまあ…」


「いいえ、いくらなんでも目を向けなさすぎるんです。

それにとても違和感を感じてしまって…」


頼むからやめてくれ〜〜〜…

嫌味かなんか言いについてきたのかこの人は…?

流石に相手にしたくなくなってきたので、逃げよう…


「あ、えと、気遣いすいません。僕、そろそろ行きますね…」


「あっ!ちょ、ちょっと…!」


本当に申し訳ない。

せっかく話しかけてくれたが嫌味に聞こえてきてしまって耐えられないんだ…。


人のそこそこいる廊下を早歩きで抜けていく。

当然さっきの人はついてきた。

スピードをあげようとして歩く速度をあげる。


その瞬間、足がもつれ、倒れかける。

このままでは目の前の人にぶつかってしまう。


「危ないです!」


さっきの美人さんが手を差し伸べてくれるも、自分は目の前の人に−−−




ぶつからず、そのまま床にころんでしまった。


間一髪で避けれたのか…?

だとしても周囲からの視線が痛いのは確実。

最悪な日だ…

落ち込みつつ顔を上げると−−−


周囲の視線は自分ではなく、目の前の美人さんへ集中している。

そりゃ僕なんかよりも美人さん見たほうがいいよな!?

悲しくなってくるがこれはどうしようもない運命だ。


そう思っていると突然その美人さんが自分の手を引っ張って先程の人気が無い場所へ連れていこうとする。

まだ振り回されるのか僕は。


その場所へつくと美人さんは、


「やっぱり…」


と険しい顔でそうつぶやく。

やっぱりってなんだ!?

検証しようとしてたのか!?


「い、一体何がしたいんですか…!?」


思わず聞いてしまった。

意外と声出せるもんだな、と思っていると、


「あなたもしかしたら………」




「もうこの世に存在しない人になってしまったのではないでしょうか」





………え?

耳を疑う。

そりゃあ疑う。

ほとんど関わりのない人にそんな事を言う人はまずいない。

この世に存在しない人?

何も陰キャをそこまで言わなくてもいいじゃないか…!


「た、確かに自分は陰キャですけど、そこまで言わなくても…!」


「いえ、そういうことではございません。貴方はすでに亡くなっているという意味です。」


え?え?

僕が亡くなっている…?

なんで?いつ?

思考回路が回らない。


「おかしいと思うんです。貴方と話しただけで、周りの皆さんがこちらを見たり、見ながらヒソヒソ話していたり」


「そ、そりゃあ美人なあなたと僕みたいなやつが話してたらそんな反応も当たり前じゃ…」


「確かにその可能性は否定しません。ですが、周りの皆さんの視線は全て私にしか向いていません。それは先程あなたが姿勢を崩して床に倒れてしまった時もそうでした。」


「それに何より確信に繋がったのは…」




「あなたが転んでしまったとき、人をすり抜けて床に倒れたのを見たからです。」


そう言われた瞬間、僕の記憶は蘇る。


そう、僕は登校初日、気分が上がらないとイヤホンを付けて音楽を聞きながらうつむいて登校していた。

睡眠もまともに取れずボーッとしていた。

その状態で外を歩いているのは危険だと分かるだろう。


そう、大体予想は付くだろうが、僕はその日---





交通事故によって、死んでいる。





浮遊霊は自分が死んで霊になったことに気づかないという。

恐らく自分はその類なのであろう。

自分が霊だとしたら、この美人さんが言っていることも辻褄が合う。


本当に僕は死んでしまったのか…。


こんな性格もあり、誰とも話せず常にぼっち状態。

まさか自分が霊になってしまったからだったとは…




陰キャだと思っていたのに。

暇つぶしにと思って試しに書いてみました。

続きは特に考えてないのであしからず…

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