表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

3



全力で相手してやると意気込んだ私を感じ取ったのか、リクは調子に乗っていつも以上にベタベタしてきた。

段々と“お客様”の範囲を超える際どい感じになってきて、どうやって軌道修正するか思案し始めたとき、タイミング良く終了時間になった。


私の友達(?)だからって店長が直々に声を掛けに来てくれて、ああ心配させちゃったんだなと申し訳なさでいっぱいになる。

店長にはリクと同居していることとセクハラ野郎だってことを話してあるから。

家では適当にあしらえるけど、店では“客”の縛りがあるのを懸念してくれたんだろう。


ともかくリクを蹴り飛ばさずに済んで助かった。

店の皆に迷惑かけちゃうのはまずいからな。


リクが上機嫌で帰って行った後、やっと家に帰れる……と息を吐いたのも束の間、いやアイツも同じ家だわとドッと疲労が押し寄せた。

今すぐ寝落ちしそうなほど疲れているのに、帰る気がまるっと消え失せる。


アイツ興奮してるだろうから、絶対誰か連れ込んでるよなぁ。

毎回毎回、家に連れ込むのはルール違反だっつってんのにあの野郎ちっとも聞きゃしねぇ。

百歩譲って事前に私に言えって言ってんのに忘れるからね。わざとかもしれないけど。


前にリクの相手と鉢合わせしたとき、そいつが私を浮気相手と勘違いしてものすごい修羅場に発展した。

あんな貞操観念の緩そうな頭して、リクは相手を結構慎重に選んでる奴なんだけど、珍しく失敗したらしい。

さすがのリクもあのときは平謝りしてきたけど、もう二度とごめんだ。


思い出したら頭痛がしてきた。よし。家に帰るのは止めだ。決定。

それに、奇跡的に誰も連れ込んでなくても今日は帰るの止めた方が良い気がする。


だって最近、私の貞操本格的に危うくない? 

アイツ、私が女だって忘れてると思うんだけど。


ん? だとすると私が脱げば自然と萎えるのか? むしろそうすりゃいいのか?


……駄目だ。頭回ってない。


ビジネスホテルにでも泊まろうかと考えていると、店長が泊まりに来ていいと言うので、ありがたくその申し出を受けることにした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ