表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リヤン 〜魂の絆~  作者: ゆめ猫
13/47

第13話 イノッチとの死闘

 薬品店のアレンにネズミの尻尾を渡し、家に戻った。

 ユキナはシャワーを浴びくつろいでいる。ポニーテールの髪を下ろした彼女は美しかった。好きになれない奴だったが、それは素直に認める。


「挨拶がまだもした。豪と言いもす」


 豪はソファーに寝そべるユキナの前に行き、頭を下げた。琴音も慌てて挨拶に行く。


「琴音です。初心者なので色々教えて下さい」


 ユキナは2人を見ず「豪、レベルは上がったか」と尋ねた。


「はい。11になりもした。」


 それから3人は交代でシャワーを浴び遅い夕飯にした。



 次の朝。サリとの約束猪の肉は今日の夕方までだ。


「おはようございます、勇者様!」


 ニーナの声。扉を開けるとまたサンドイッチを持って立っている。幼さの残る顔立ち。鼻が少し上を向いていて、唇なピンク色で小さかった。可愛いと思った。

 無言でまたぐいと差し出し走って行った。急いでお礼を叫んだ。

 ここの村人達は、皆食料に困っている事を知っている。ニーナはきっと無理をしているに違いない。もしまた来たなら断るつもりだ。

 4人で有難くいただき、みんな緊張しながらイノッチと戦う準備をしていた。


東門を目指した。

俺はいつも以上に緊張していた。


「健、レベルは?」

ユキナが聞いた。

「14になった」

「そうか……」


 何故か残念そうだった。だが、その理由をユキナに聞かなかった。


 イノッチの前に着いた。


「待て。作戦だ」


 いつしかユキナはリーダーになっていた。


「琴音、MPを温存するためにHP回復量を考えろ」

「はい」

「健、何としても奴の必殺スキルを阻止しろ」

「分かった」

「それと回復薬はあるか?」


 リュックから回復薬を出した。昨日アレンからネズミの尻尾と交換した事で、9個あった。


「琴音に1個あたしに1個健が2個、残りは豪に渡せ」


 俺は言われた通りにした。


「豪、回復薬を飲む時は剣をおけ。間違っても盾を下ろすな」

「分かりもした」


 イノッチを倒した事があるであろうユキナの顔は、指示を出しながらもこわばっていた。その表情でイノッチがどれほど危険な相手か分かった。


「あたしが魔法で呼び寄せる。近くに来たら、豪、挑発を直ぐ唱えろ。みんなは位置に付け。琴音、間違っても前には絶対に出るな」


 2人共イノッチを見つめながら、大きく頷いた。


「行くぞ!」


 そういうと1番近くにいるイノッチに軽く魔法を放った。ドシドシと凄いスピードで走って来る。間近で見るイノッチは思った以上にでかかった。

 直ぐに豪が挑発する。向きを変えイノッチが豪に体当たりした。豪は盾でそれを受け必死に耐える。

 イノッチは後ずさりして、反動をつけるかのように前足を蹴る。その時ユキナの魔法攻撃で炎に包まれた。炎が消えるとイノッチは頭を振った。そこにすかさず連撃を浴びせる。

 一瞬よろめいた。攻撃をくらいイノッチは怒った。そこから更に後ろに下がり、豪目がけて突進してきた。豪はよろめいた。それでも右手の剣で首を刺している。


「豪、無理するな」


ユキナは低い声でそう言った。


 次も後ろに下がるはず。俺はそれを待って普通攻撃を浴びせる。バランスが悪いのか横に倒れた。


「琴音、何をしている豪を回復しろ」

ユキナが叫んだ。


「すいません、MP切れです。」

「切れたなら豪に回復薬の指示を出せ!豪今のうちに回復薬を!」

ユキナの声が怒号に変わる。


 イノッチはいつの間にか立ち上がり、後ろ足を蹴った。凄いスピードだ。


「来るぞ!」


 ユキナは魔法攻撃を浴びせる。一瞬にしてイノッチが凍った。


「今のが必殺スキルの前だ。」

ユキナは俺に教えてくれた。


 イノッチは氷から解き放たれた。後ろに下がると思っていた俺の予想に反して、大きなクルリと回った牙を豪に突き立て、豪は空中に持ち上がる。首を思い切り振り回し、豪はドサッと地面に叩きつけられた。

 豪はよろけながら、必死に立ち上がり、盾を構えた。剣を持つ右手から血が溢れだし、だらんと垂れたままだった。左の太腿からも血が出ていた。

 なおもイノッチはトドメを刺すかのように、後方に下がり後ろ足を蹴った。必殺スキルだ。俺は夢中で前に突っ込み連撃を浴びせる。ドサッと倒れた所をユキナが必殺スキル雷を落とした。イノッチは横になったまま痺れている。


「豪さん回復薬をお願いします!」

琴音が叫んだが右手が使えない豪は盾を置き飲んだ。


 イノッチはようやく起き上がる。また後ろ足を蹴った。その時ユキナはあろう事か、豪よりも前に出た。イノッチは向きを変えユキナに向かった。豪はヨロヨロと前に歩き出す。


「来るなっ!」

ユキナが叫ぶ。それでも豪は歩みを止めず挑発する。


「バカか、お前はっ!」

ユキナは豪に叫んだ。


 イノッチは向きを変え豪に向かう。俺は左の剣でイノッチの行く手を遮り、右手で腹を刺した。それでもズルズルと前に進む。ユキナが必殺スキルを使った。その後直ぐに連撃を浴びせる。


ギューーーーーーーッ!!!

イノッチは大声で呻き、腹這いに倒れた。


それを見た豪もドサッと倒れた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ