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魔道店主の学園生活  作者: 太元陽留
3/17

店主の日常?1-2



「おいおい、どうした。幸せが逃げるぞ」



「いったい誰のせいだと思っているんだ。それで、今年は行くのか検査」



それを聞いたアデルは胸を張って、



「行くわけない」



と、言うとドヤ顔でソーマを見た。

それを見たソーマは、いかにも怒っていますアピールをしながらこちらを見て言った。



「はぁ...。さっきのお前の発言のせいで僕の休日が消えたんだよ。残念。この怒りをどうぶつけてあげようかなぁ」



それを見たアデルはこれといった反応をせず淡々と、しかし毒を撒き散らすように言い放つ。



「お前の責任をこっちに押し付けるな。......禿げるぞ」

「ぶっ殺す!!」



よほど禿げることを気にしていたのか全身に力を入れ、ここは戦場なのかと錯覚するほどの殺気をあたりに撒き散らし、能力による熱気もソーマの周りに漂っていた。

その様子を見たアデルは殺気を受け流し驚いた表情になりながら、



「え...。もしかして用事があったのか?まぁ......、どうせデートだろうけど。急いでいたのなら謝るよ。すまないな。もう行っていいぞ」



素っ気ない態度のままアデルは店の中に戻ろうとした。



「待て、逃がすか。ファイア」



そう言った瞬間ソーマの手のひらから勢いよく炎がでた。そのまま、アデルの後を追う。

始めは10mも離れていた距離を一気に縮め後3mになろうかと思った瞬間、力が抜け見えない壁のようなものにぶつかり後ろに倒れ込んでしまった。



「な、何なんだ、これは!?」



後ろに転がって尻もちをついているソーマをいかにも笑いをこらえていますと思わせる顔でこの状況が起きた原因を説明した。



「プパッ、残念でした。お前の能力の身体の指定した場所から炎を出せる能力だっただろ。覚えてるぞ。能力を俺に教えてくれていたあの無邪気な、え・が・お。クハッ、やべぇ、笑いが止まらん」



その説明を聴いているソーマは怒りが1周したかのようにその顔から表情が消えていた。



「あ、あぁ。すまなクフッ、すまない。さっきの続きな。あれ、なんだっけ?笑ってたせいで忘れたわ」



「僕がお前に能力を教えたってところまでしか進んでないからな。早く続けて。なんで倒れ込んだのか知りたいからさ。そうじゃなかったらわざわざ待ってないし」



「あ、そっか。そうだったな。やっとお前の顔見て落ち着いたわ。その能力って確か制限あったろ。全身に炎は纏えないが同時に2箇所、最大3メートルの長さまでなら自分の意思で動かせるって感じの。その能力で手のひらから炎を出したのはわかる。しかしな、こっちだって魔道具店の店長やってんだ。相手の能力が分かればその能力に対抗するための魔道具なんてたくさんこの店にはあるんだよ」



アデルは直径3cmほどのガラスのような透明な球体をカバンから取り出してさわりながら言った。



「この魔道具は能力を1度無効化する効果と物理攻撃無効化の二つの効果を持っている。しかし、1度防いだらまた意識しながら貼り直さなせればいけないって制限もあるけどな」



そこで止めるとあたりを見渡して、少し声を大きくしながら続けた。



「ただし、それは普通の魔道具の話だ。ここにある魔道具は全て俺が1度は手を付けている」



「な、魔道具を作り替えているってことか?」



ソーマは、驚いているがそれを無視した。



「もういいか?この魔道具の追加効果は触っている人に1秒間に設定した回数弱いが電気が流れるように作り直したんだ」



その言葉を聞いたソーマは疑問に思った。



「それをして何の意味がある。ただの嫌がらせか」



それを聞いたアデルは触っていない方の手を前に出して人差し指をたてながら左右に振った。



「チッチッチッ、これだから堅物は。脳みそが全て筋肉って言われたことはないのか。心配になって来たぞ。お兄ちゃんは」



「誰が脳みそが全て筋肉なんだ。それに誰がお前の弟になんかなるか」



弟にならないと言われたことに少し傷ついたが表情に出ないように気を付けて話し続ける。



「弱い電気が流れることにより、自分で弱い電気が流れたら結界を貼り直す。って思っておけばいいんだよ。慣れてくるとどんなに感覚が短い静電気でも一つ一つ感じ取れて意識せずとも自然に結界を貼り直すことができるようになるぞ。あ、そういえばこんな話をしているよりも周りのお客さんを呼んだらどうだ。暇そうに出番を待ってるだろうし」



「やっぱりバレてたか。途中で辺りを見回していることがおかしいと思っていたんだよ」



そういうと、片方の手で耳を押さえ、何かを喋った。すると、先程まで隠れていた者達が左右の道に5人ずつどんな能力か分からないが空中に走っていたり、飛んでいる岩の上で座禅をくんでいる人など見える範囲に能力者と分かる者達が20人以上いた。



「おいおい、幼なじみだから説得できるって言ってたくせに失敗してるじゃねえか」



右の道にいた筋肉質の身長が高い男が言った。



「仕方ないですよアブ。あんな奴なんだから」



アブと呼ばれる男に話かけたソーマはアデルの方に向き話を続けた。



「これだけの能力者の皆さんが君を連れていくために国から派遣されたんだ。モテモテじゃないか」



「ここにいる数人の女性の皆さんには、好かれたいけど...。さっき話してた後ろのハゲでゴリマッチョな男には好きになって欲しくないかな」



「誰が、髪を剃っていて筋肉がたくましいアブノーマルな人には、好きになって欲しくないだと。アブノーマルでは無いし、こっちから願い下げだ」



「自分の事だと納得するために良い感じになるように脳内変換するなハゲ」



アブは、自分の気にしていることを言われたことを指摘され顔を真っ赤に染め今にも飛びかかろうとしていた。

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