アデルとの交渉1-2
すいません。
最近まで学校の定期テストが...
何とか乗り越えたのでこれからも頑張って行きます。応援よろしくお願いします。
ミーレスが縛られているところをよく観察してみると下には、原因になったと思われる道具が血まみれになって散乱していた。
「おい、ミーレス。返事をしろ。何が起こったんだ、答えろミーレス」
ファルサが我を忘れて何度も名前を呼び続ける。
「アデル...。これはいったいどういう事なんだ...?」
我を忘れているファルサや驚きのあまり固まったまま喋らないアブに変わってソーマが問いかける。
「まさか、本当に知らなかったのか...。それがな。あんたらがミーレスって呼んでる奴がどうも偽名でこの国の王直属の暗殺グループの一人らしいのさ」
「...暗殺グループの一人?そこのミーレスって人の顔、王直属の暗殺グループの『モルス』で見たことないけどな」
「...なぁ、いつも思うけど。ソーマって顔広すぎないか?国の上層部に限って。暗殺グループの名前なんて普通の生活してたら俺らの歳で知るはずないだろうし...」
「い、いやだなー。たまたまだよ。そんな人がいないって保証はないでしょ」
ソーマは額に汗を浮かべながら早口で説明した。
「一国の王や直属の暗殺グループと面識がある時点でたまたま...なのか?」
アデルは頭を抱えるがそれも少しだけだった。気にしないことに決めたようだ。
「ソーマを追求するのは、また、後日にして......。どうする?これ」
「何だろう。次の日が来ないで欲しいって本気で思った。」
アデルやソーマは異様な状況を見てもいつも通りに話すことが出来ていた。
そんな中についていけないファルサとアブが取り残されているようだった。
「アデル...、この国で拷問は禁止されているはずだ。こんな事がバレたら......最悪、処刑されるぞ。」
ファルサはアデルに怒鳴るが何ともないと手を小さく振る。
「言っとくが、これも魔道具を使っているからな。効果は肉体と精神の構造を逆にして肉体を傷つかなくなることだ。情報を入れ替えられた者は、怪我をしないかわりに精神がダメージを受けるから、肉体から血が流れることはないんだけど......。もちろん、これも改造してるからな。改造した結果、肉体と精神の構造は変わるけど...、精神が傷ついたところは肉体も擬似的なダメージが入るし、欠損もあるから痛みを感じるし血も流れるようになってるよ」
そう言うと、アデルはボロボロになったミーレスの下に散らかっている物の中から血で汚れたハンマーを持った。
「当然、さっきの説明でもしたように、頭もはじけ飛ぶからな」
アデルはそう言うと、ハンマーを両手で持って大きく振りかぶると力任せにミーレスの頭に向かって振り下ろした。