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第4話 食事会

和也の部屋でのドタバタのあと、

食事会が始まった

ほのかは和也の家族に容姿を絶賛された。



「ほのかちゃんかあ〜。

可愛い名前にしたねーっ。

いいっ。

実にいい。

智樹君って、本当に可愛いからな。

女の子になって正解だよ。」


和也の父、達也がベタ誉めだ。


母の阿澄も絶賛。

「うん、セーラー服似合ってる。

前から女の子みたいだなって思ってたけど、これでしっくりくる。

これから、すごく綺麗になると思う。

絶対美人になるね。」


そして姉の桃。

「本当に可愛いんだよねーっ。

ほのかちゃん、仲良くしようねっ。

もともとほのかちゃんのお姉さんたちとは仲いいから、これからは

女子4人であそぼーっ。」


和也はといえば、横目でチラチラみるのが精一杯であった。

前から話を聞いていた家族とは違って、まだ慣れない。動揺がおさまらない。

うまく言葉がでなかった。


でも、智樹の女装姿、つまりほのかの姿についてはかなりときめいている。


(すげえ可愛いっ。なんか嬉しいっ。この可愛い子とこれからも一緒に遊べるんだ。

どうしようっ。)


和也の頭の中には・・・

先ほど見てしまったほのかのスカートの中身

・・・そして、

背中をなぞられ、色っぽい声で喘ぐ表情が

音声つきでしっかり頭の中に焼き付いていた。


(スカートの中身が見えたんだよな。

あれはよかった。

うん、男とは思えない色っぽさだった。)


和也にはトラウマがあった。

和也は思い出す。

小学校4年の時に仲のいい同級生の女子のスカートを教室内でめくったことがある。


その女子と会話をしていた時、ヒラヒラしていたミニスカートが 気になり、

どうしても我慢できなくなって、思わずめくってしまったのである。


その女子は「ぎゃ〜っ!変態!! なにするのっ!

このセクハラ野郎!!」と和也を罵倒した。


マンガやアニメのラブコメのヒロインとは全くちがう対応だった。

完全に怒っており、恥ずかしがるといった要素はゼロだった。

極めて現実的な、今の時代にふさわしい反応だったのかもしれない。


そのあと教師にもこっぴどく叱られる。


幸いスカートがめくられた場面は他のクラスメイトには見られていなかったし、その女子が最終的には許してくれたので大問題にはならなかったが、クラスの女子にはしばらく口をきいてもらえなくなる。


今やスカートめくりは子供の世界でも犯罪行為のようなものだった。


ぼーっと回想してると、

母親が、和也に声をかけた。


「和也、ほのかちゃん、これからいろいろ大変だと思うから、これからも仲良くしなきゃだめよ。」


父も言う。

「そうだ。今まで以上に仲良くな。

ほのかちゃん、いっぱい不安があると思うから相談にのってあげなさい。」


桃は

「でも、ほのかちゃんはもう女の子として生きて行くんだから。女の子としてちゃんと扱うのよ。」

と続く。


「言われなくても、智樹・・・ほのかは親友だ。ちゃんとフォローする。」


ほのかは嬉しそうに和也の顔をみた。


「うん、お願い和也。和也が頼りなんだ♡」


「おおっ。」



その後、食事会は終了し、和也はほのかを自宅まで送って行くことになった。

距離はさほどないのだが、夜道をセーラー服を着た中学進学前の女子が歩くのは危険と

いう判断だった。


一緒に歩きながら、和也はふと思いついたことを口に出す。


「あのさ、ほのか。

もし・・・俺がさっきウチのお姉ちゃんがやったように

・・・スカートめくっちゃっても・・・

背中を指でなぞっても・・・


怒らない?」


「えっ?

和也だったら別にいいよ。

親友だもん。

他の男の子だったら絶対許さないけどね。」


顔を赤らめてほのかが答えた。


和也は嬉しそうな顔になった。


「あ、ありがとう。変なこと聴いてごめん。

俺も、男だからさっ。ちょっとスケベなところあるからさっ。」


「私も男の子だったから、わかるよ。

でも、許すのは和也だけだよ。

しかも、部屋の中とか、他に人がいない時ね。」


「もちろんっ。

そうする。」



「話は変わるけど、和也、私・・・

これから中学になって・・・

いろいろ心細いから、よろしくね。」


ほのかは和也の手を歩きながら握った。


和也はほのかの手を握り返しながら答える。


「おお。任せておけ。」


和也の下半身はまた硬くなっていた。

手をつなぐことにより、エッチな想像がいろいろ頭に浮かんでしまっていた。


(ふふふっ。

これからはちょっとエッチなことができる。

でも、こいつ男なんだよなあ〜。

恋人にはならんな。

あくまで友達だ。

まあ、あんまり難しいこと考えるのやめよう。)


一方、ほのかは、

(さて、中学進学だ。

どんな生活が待ってるんだろう?

全国から集まってくるGIDの子ってどうなのかなあ?

会うのが楽しみ。

和也にいろいろ報告しよっ。

盛り上がりそう!)


お互いいろいろ考えながら歩いていると、ほのかの家に着く。


「和也、ありがとう。

中学になっても、よろしくね。」


「おおっ、学校は違うけど家は近いんだ。

今まで通り、いろいろ遊ぼうっ。」


「うんっ。」


二人の青春が始まった。


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