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俺と彼女達の下半身事情-魔物娘と過ごす日々-  作者: 黒箱ハイフン
第二部 三話 『魔族令嬢の舞闘会……つまり、あたしが主役よ』
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096 『挑ませるにはどうするか』

「さて、これからどうしましょうか……」


 予選の説明を聞いた私は、一人あてがわれた部屋へと入り考える。


 まずは、確認がてら手元の資料に記されたルールに目を向ける。


・城内にいる参加者は今から五日間、それぞれ自由に戦いを挑みあう。ただし、同じ相手とは自分からは一度しか戦えず、一日に挑むことが出来るのは三回まで。

・その競う内容は、挑まれた方が決める。ただし、その内容は勝負内容を魔族として能力を競うものでないといけない。もし、運営が判断し不適格とされた場合には、挑んだ方へと内容の決定権が移る。

・勝つことで点数が二入り、負けると点数が一減る。最終日である五日目までにパートナーを確定し、二人の合計得点の多い組を本選出場とする。


 まぁだいたいが、レイアさんのお母様が話された内容と同じだ。


 では、これはレイアさんが言ったとおり勝てばいいだけのものかといえば否だ。


 まず、第一に勝ち続けるのは難しいというのもあるが、自分から挑むだけでは一日三回勝利を五日分で、全勝しても一勝二点だから合計では三十点しかいかないのだ。


 そもそも、挑む、ということ事態が間違っているともいえる。相手が勝負の内容を決める、即ち相手の有利な内容で戦わないといけないのだから。


 そして逆に挑まれる、ということで考えてみよう。


 挑まれたのならばこちらで試合を決めることが出来る。更に、一日に挑む数は制限があれど、挑まれる回数についての制限は何処にもない。おまけに、同じ相手に挑むのは禁止されていても、自分が挑んだ相手に挑まれたり、挑まれた相手に後で挑み返すといったことは可能なのだ。


 つまるところ、この予選のルールで高得点を取ろうと思えば、挑むのではなく挑まれるように動く必要があるのである。


 では、どのような相手が挑まれるのか――単純に考えれば弱そうな参加者と言いたいところだが、挑まれた側が内容を決める今回のルールではそれも簡単にはいかない。


 逆に、確実に勝てる相手、というものを考えてみる。それは、相手が勝利を考えてないときだ。つまり、戦うことを諦めていたり、勝利に興味がない相手である。


 そういう相手であれば挑まれても勝とうとはしないし、交渉次第では逆にあちらから挑んでもらい更に点数を謙譲してもらえる可能性すらある。


 以上を踏まえると、この予選において最も効率がよいのは勝利を考えてないように思わせ、相手に挑ませること。逆に行ってはいけないのは相手に警戒させ挑ませるのを躊躇わせるような、強さを大きくアピールするような目立つ真似、つまるところレイアさんが早速やらかしたあんな戦闘みたいなことだ。


 彼女は気付いてないみたいだが、あれではもはや一部の戦闘狂のような相手以外からは、挑まれることは無いだろう。おまけに、レイアさんから挑んだとしても小手先の勝負を選ばれれば敗北は必死。彼女が稼ぐ点数を当てにするのはやめておくべきだろう。


「……まったく、予選からして早くも詰んだ感じがしますね」


 組む相手を変えられれば簡単なんだが、流石にそれはできない。これが終わった後のこともあるし、そもそも私はレイアさんの付き添いとしての参加なのだから、彼女以外のパートナーを選ぶのは難しいだろう。


 なら、考えるべきは、私ひとりで、二人分の点数を稼ぐにはどうしたらいいか。


 自ら挑むだけでは、どうあがいても三十点が限度。挑まれる、挑ませる為にどう動くか。


「上手くいくといいのですけれど……」


 思案しながら、私は部屋を出る。


 そして、先ほど会場で見かけた一人の少女の元へと足を運んでいくのだった。戦うためではなく、交渉をするために。


そんなわけで更新です。

前回予告したとおり、ちょっと依織さん視点に切り替わります。

番外とするべきかとも思いましたが、内容としては本編にかかわってる内容なのでそのまま話としても続けて差し込んでおきます。


まぁそこまで長くない予定。

さて、依織さんはどうやって点数を荒稼ぎするのか……。


それでは、今回も読んでいただきありがとうございました。

次回も来週月曜更新予定です。どうかよろしくお願いいたします。

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