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俺と彼女達の下半身事情-魔物娘と過ごす日々-  作者: 黒箱ハイフン
第二部 二話 『我家と交流……えぇ、我家と』
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086 『我家と交流』

 塀でぐるりと囲まれた、木造平屋の一戸建て。その玄関には霜神、とかけられた表札がかけられている。少し大きくはあるけれどごく普通で一般的な日本家屋といえるだろう。


 昔から慣れ親しんだ我家であり、ここ数日で更にお世話になった彼女の本来の姿。


 もう、今までのように人の姿を見せられないとしても、ここに霜はいる。


「分かっているけど、寂しいものは寂しいよな……」


 彼女へと言葉を交わせないというのは、やはりもどかしく悲しいものだ。


 そんな感傷を胸に、一人で帰ってきた俺は、我家を――物言わぬ家となった霜の姿を、玄関から改めて眺めていた。けれど、どれだけ見つめ続けても家から声が聞こえてくることなんてありえない。


「というか、どこの不審者だって話か」


 自分の家とはいえ、塀の外からずっと眺めているなんて、警察に通報されても仕方ない。空き巣と間違えられてもしかたないだろう。

真実を伝えようにも、『擬人化した家のことを思って感傷に浸ってました』なんて、どうやって伝えればいいのか? どう考えても、病院を紹介されるだけである。


「帰る、か。ただいま、霜……」


 今は姿も見えない彼女に向けて、声をかけて家へ向かう。


「……はい?」


 が、そこで俺は驚愕する。


 意味不明な光景が、そこにはあった。


「何故に、……城?」


 塀を潜って、敷地内に一歩足を踏み入れた俺を待っていたのは、先ほどまでの見慣れた我家ではなく、時代錯誤な石垣や漆喰、瓦で構成された城であったのだ。


 というか、本来の敷地面積に収まらないはずなのに、何故かどうして、巨大な城が問題なく我家のあったはずの位置に建っている。もはや物理法則さえも超越している状態だ。


 しかも、敷地内から道へと出ると、また見慣れた我家の姿が眼前に移るという謎仕様。


「……まるで訳がわからん」


 だが、そんなことをするのは、だいたいが空亡(ヤツ)のせいである。


 一体、何の目的でこんなことをしたのか、この家が、霜ということを分かっていながら、どうしてこんな意味不明なことをおこなったのか、問いただす必要がある。


「流石に、ふざけてここまでやるのは、やりすぎだろう」


 そんな怒りと決意を胸に、本来なら玄関があった位置にある城門を潜り、俺は城の中へと足を踏み入れ――驚愕に目を見開いた。


「お帰りなさいませ、主さま!」


 そんな声の、失った彼女の出迎えに。二度と会えないはずの姿を、再び見れたことに。


 どうして人の姿に戻れたのか? 一体、この城は何なのか?


 聞きたいことはいろいろある、けれど、それ以上に、伝えたい言葉がある。


「ただいま、霜!」


 おなじみの床から伸びて飛びついてくる霜を抱きしめ、またこうして彼女と言葉を交わせたことに、ぬくもりに触れられたことに喜びを感じながら俺は彼女に言葉を返す。


 俺と我家[彼女]との交流は、こうしてまだまだ続いていく。


週一の定期更新です。

前回危惧したとおり、やはり翌日が休みの日は遊び歩き、日曜のうちに更新できないというね。


そして内容。

予想をされすぎて、どうまとめるかで悩んだ末にこうなってしまったという。


――すなわち、説明は後回し!


あ、ちゃんと原因とか説明とかは考えてあります。ただ、このシーンに挟むと色々アレすぎて、台無しになりそうなんでここでキリにした次第です。

即ち、もう一話だけ続くんじゃよ、という状態です。

なんかもう、いろいろすみません。orz


ただ、今回短すぎますし、種明かし回もそんな長くならないので、本日中に書き上げておく予定です。

その本日中の更新にて、今話は完結、となる予定です。


ただ、物語としては、というか二部としては、まだまだ続きます。

てか、二部の中心部分まだ始まってすらないというね。

ネタはあるのに、遅筆な自分と、時間の無さが恨めしい。



それでは、次回は本日の夜更新予定です。

何故霜が復活したか、なんで城か、あと空亡さんが何をやらかしたか、などといった蛇足説明回ですが、どうかよろしくお願いいたします。



それでは、今回も読んでいただきありがとうございました。


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