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俺と彼女達の下半身事情-魔物娘と過ごす日々-  作者: 黒箱ハイフン
第二部 二話 『我家と交流……えぇ、我家と』
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077 『お触り厳禁』


「はい、主さま、熱いから気をつけてくださいね」


「ん、あぁ……」


 湯気を立てる味噌汁と霜がよそってくれる。


 食卓には、現在野菜の炒め物と、ご飯、目玉焼きがあった。和食というかなんというか、よくある家庭料理といった献立である。


 献身的に働いてくれる霜はとてもいい娘で、料理も美味しそうであるし不満なんて全く無い。ないのだが、落ち着かない。


「えっと、うちになにかありましたでしょうか?」


 彼女を見たまま、正確にはその身体が生えている部分を見たまま固まる俺に、不安そうに霜が首を傾げる。当然ながら、彼女が悪いわけではない。


「いや、そんなことはない。ただ、やっぱりまだどうにも違和感があってな」


 依織とレイアとの生活で、だいぶ慣れてきたと思ったのだ。けれど、家の床からうにょんと伸びて、幼女の身体が生えているのにはどうにも違和感がとれない。


「違和感、ですか? うち、何かおかしいのでしょうか?」


「あの、さ。その、床の部分って触ってもいいか……?」


 本来硬いはずの床板が、まるで飴細工のように伸びて動いているのだ。一体どうなっているのかが気になって、食事どころでないのである。


「床、ですか? もちろん、構いませんけど、床がどうしたのです?」


「ありがとう。いや、どうにも気になってな」



「ひゃうん!?」



「うぇっ!?」


 床を、正確には床から伸びている霜の木目の部分を触った瞬間、甲高い声とともに彼女の姿が一瞬にして床に吸い込まれた。食事の為に消えたときと同じように、けれど、それよりも早く勢いよく。そして、ここはあのときのような廊下ではなく、温かな料理の並んだ食卓で。


「熱ッ!」


 驚いた俺の身体がテーブルに当ってしまうのは仕方ない。そしてそうなれば当然、食卓は無茶苦茶に、受け取ったばかりの味噌汁が自分にかかるのも当然といえよう。


 ……おかげで俺の身体は、味噌汁や料理塗れである。おまけに、テーブルの上の有様は、食事なんて出来る状態ではない。


「申し訳ありません、主さま! まさか、この身体に触れていただくとは思ってもなく!」


「いや、こっちが悪かった。まさか、こんなことになるとは……」


 再び床から生えて、血相を変えた様子で謝る霜に、寧ろこっちが心苦しくなる。そもそも彼女が驚いて床にもぐったのは俺の考えの無い行動のせいで、食卓を揺らし料理を台無しにしてしまったのも俺なのだから。


「ふむ、大変じゃのう」


 自分の失態に落ち込む俺を見て、しみじみと空亡が呟く。俺と同じように腹を空かせた彼女が落ち着いているのは、自分に関係ないからだろう。


「いいよな、お前は。というか、こっちの分も守っておいてくれよ……」


 彼女の前には、俺のとは違い味噌汁一つ零れていない料理がある。彼女お得意のいつもの闇で、自分の分の料理だけは確保していたらしい。……羨ましい限りだ。


「新しい料理のほうを用意しておきますので、その間に主さまはいったんお風呂に入ってきてください。お風呂のほうは、もう準備しておきましたので」


 そう霜に促がされ、俺は空腹のまま食卓から風呂場へと向かう。自業自得なので、誰にも何にも文句なんて言えるはずも無い。


「あぁ、腹減ったなぁ……」


 きゅるると音を立てる腹をかかえ、なんとも悲しくなる俺だった。


週一の更新です。

……短くて申し訳ありません。

ネタはあるのに、なかなか時間が無い、そして文章に上手く起こせない自分が悲しいです。


お触り厳禁。

幼女は愛でるものです。


そして、モンスター文庫大賞一次落ちました。orz

ただ、通過したのがほぼ異世界ものだったこと考えたら、完全にカテエラだし仕方ないかなぁ、と自己弁護で納得しときます。w


ですが、本作は書きたいことまだまだありますし、打ち切ったりするつもりは無いので、拙い文ですが今後もお付き合いいただけると嬉しいです。



それでは、今回も読んでいただきありがとうございました。

次回も来週日曜更新予定です、よろしくお願いいたします。

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