表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と彼女達の下半身事情-魔物娘と過ごす日々-  作者: 黒箱ハイフン
第二部 一話 『幼馴染がやってくる……そう、幼馴染が』
74/152

074 『いつもながらに理不尽』

「かつて交わした誓いを、オレは破棄する」


 みーくんがそう宣言する。


「これで、消えたってことか」


 実感はわかないが、これで俺を縛っていた幼い頃の契約は消え去った、ということだろう。彼女が誠実なことは、かつて共に過ごした思い出や、再び出会ってからの様子からも確信できる。


「あぁ、そうだ。これでもう、彰はオレのものじゃない。けど、勘違いするなよ」


「ん、勘違い?」



「オレは彰のことを諦めないぞ! 絶対にいつか、オレに振り向かせてやるからな!」



「ふふん、やれるもんならやってみなさい! あんたなんかに彰は渡さないわ!」


「えぇ、あなたのことなんか考える前に、私が彰さんは陥落させますので」


 みーくんの言葉に、俺の隣にいた少女達が俺に抱きつき宣言する。


 ……ただ、上半身で抱きつくのはいいが、蛇の尾と蜘蛛脚で絡むのは止めてほしい。いや、軽いのならレイアの蛇の尾の冷たさや、依織の蜘蛛脚の硬さは心地いいし嬉しいんだが、流石に強く絡まれると苦しいのだ。


「ふん、今はいいさ! 彰と結ばれるのは、オレだからな!」


 二人の少女にそう言うと、更にみーくんは俺に視線を合わせる。


「それと、彰。彰はもう、オレのものじゃないけど、オレはいつでも、彰のだからな……」


「えっ?」


 これまでの態度を一転、もじもじと顔を赤くして、照れたような表情で言うみーくん。そして彼女は、いきなりの変化に戸惑う俺や少女達を無視して顔を近づけ――、


 ちゅっ。


「これは、その、前払いというか、予約っていうか、ただしたかったし……その、ああぁもう! とにかく、オレは彰に相応しくなって、またくるから、ちゃんと待ってろよ!」


 突然の行為に戸惑う俺達を置いてけぼりに、まくし立てるようにそう言うと、みーくんはその四つの健脚を全力稼動して、何処かへと走り去っていった。


「ふふっ、彰さん?」


「覚悟は、できてるわよね?」


 ギリギリと、もはや苦しいを通り越して痛いぐらいな、尾と脚の締め付け。


 顔を見なくても、声だけでもはや二人がどんな状態かは想像がつく。


「待て、俺は何もやってない、さっきのはみーくんが……」


 なんて言うが、そんなものは受け入れられるはずも無い。


「聞く耳持ちません」


「言い訳は見苦しいわよ」


「……ですよねぇ」


 こうして、かつての幼馴染との再会は、どうにか無事に幕を閉じた。……俺が犠牲になることは、もはや確約されたといえるけれど。


「本当に、最後の最後まで、愉しませてくれる娘であったな!」


 結局、一番愉しんだのって、こいつじゃないだろうか?


 あぁ、いつもながらに理不尽だ……!


これにて、第二部一話完結です。

色々お待たせして申し訳ありませんでした。


結局、一番の勝者は空亡さんというお話。

あと、この話のメインヒロインは誰がなんと言おうとみーくん。


そして、次回から始める予定の二話は、またとある伏線の回収に行きます。

あ、勿論新しい(?)人外娘も出す予定ですよー。

……そう、新たな幼女を!



次回は来週の日曜……としたいところですが、年始仕事の関係上、再来週になるかもしれません。

がんばりますので、どうか次回もよろしくお願いいたします。


それでは、今回も読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ