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俺と彼女達の下半身事情-魔物娘と過ごす日々-  作者: 黒箱ハイフン
第二部 一話 『幼馴染がやってくる……そう、幼馴染が』
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070 『最強の理不尽』


「『威勢よく挑んだ割には、清清しいぐらいな負けっぷり』、だったかしら?」


「それは、あなたたちが……!」


「美味かったのだから、仕方ないであろう。それで様々な料理が並ぶのだから、蔵追うのは当然であるぞ」


「えぇそうよ。昼時でお腹すいてるんだから、早く出来た料理を食べるのは当然でしょ」


「それは、そうかもしれませんが……」


 レイアの戦いの後とは、間逆の光景。試合後、不戦敗となった依織と、俺達の話し合いの場面である。ただまぁ、今回に関しては、一方的に依織だけが悪いというわけではないのだが……、

 

「そもそも、相当卑怯なルールで挑んでおいて、負けるなんて」


 そう、実は依織はルールと称して、相当自分に有利な条件で勝負を挑んでいたのだ。


 具体的には、大きく三つ。


 食材は用意したものを使ってもいいが、各自持参品を使用してもよい。

 ――依織は自分の分だけ、多くの食材を取ってきていた。


 対戦相手への妨害は禁止。

 ――戦闘力的に劣る依織が、妨害をされない為の保険である。


 料理時間は制限内なら自由。出来たらすぐに渡していいし、何品作ってもいい。

 ――作った料理を次々出して、俺達を満腹にさせるつもりだったらしい。


「……なんというか、策士策に溺れる、って言葉がここまでぴったりくるのも珍しいな」


「うぅっ、面目、ありません……」


「あー、いや、すまん、別に責めるつもりで言ったんじゃなかったんだ。ただ、なんとなく、口をついてきただけで」


「うぐっ、そっ、それは、つまり、無意識かで私に落胆を……」


「いや、そういうわけでは……」


 なんとはなしに言った言葉で、ここまで依織を落ち込ませることになるとは。

 黒くて毒を吐いたりするわりに、言われるのはあまりなれていないのか。単に、言ったのが俺だからというだけな気もするけれど。


「というか、冗談抜きにどうすんのよ? あたしと依織が負けちゃったんだから、もう誰もあいつに反論なんて出来ないわよ。ホントなら、約束なんて無視したいけど、忌々しいことにこの変な場所で誓ったせいで、それもできないし……!」


「何か、手は無いのでしょうか。どうにかして、彼女を納得させてあの契約を無効にする方法が。いっそ、もう、この手で……」


 ああでもない、こうでもない、と二人して考え込むレイアと依織。


 その鬼気迫る様子に、俺はどうにも声をかけられず、その場でただ二人を眺めていく。


「ねぇ彰、あんたはなんか案はないの? あんた自身のことなんだから、ちょっとは考えなさいよ。もしかして、あいつのところにいきたいと思ってるんじゃないでしょうね!」


「そっ、そうなんですか、彰さん……!? 嘘ですよね、そんなことありませんよね……!」


 結局、何も浮かばなかったらしい二人が、冷静な様子でその場に立っていた俺に詰め寄ってくる。俺がみーくんの要求を受け入れ、彼女のところに行くのではないかと。


 けれど、その心配は杞憂である。俺が冷静だったのは、単にあることに思い至っていたからなのだから。この場における、最強と言いきれる理不尽(きりふだ)の存在に。


 そして、彼女は口を開く。自分の存在と、この場の状況を全て知った上で、慌てふためく二人を眺めていた性格の悪い居候――、


「我が出ればよいだけであろうよ?」


 散々状況を堪能したらしい空亡は愉しげに、そう当然の如く言い放ったのだった。


短いですが、ちょっと驚くことがあったので不定期更新。


拙作が、スコ速さんに取り上げてもらえるとは色々予想外すぎました。w

皆様応援ありがとうございます!

これからもがんばっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。


次回更新は日曜か土曜の夜予定です。

次回もよろしくお願いいたします。


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