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If、もしも 4years ago

作者: 東雲 夢希

4years ago

気づけばいつも君は隣にいた。まるで隣にいるのが当たり前かのように。

ああ、もうすぐ冬が来る。


今日も僕は少し遅れてきた。君はすでに静かに机に向かっていた。走ってきたので、部屋の中は少し暑い。息を整えて僕はカバンからノートを出した。それに筆箱も。


君は真剣に数式を解いていた。そういえば君は数学が得意だったね。僕は数学がどうも苦手で、まるつけの時いつもニコニコしていたのは君だった。


今日も屈託のない笑みを君は浮かべる。

そんな日が続く。君はいつも僕の右側で笑っていた。



そういえば、最後の一日だね。今日はめいいっぱい質問したいからさ、残るよ。

君も一緒に残ったんだよね。

最初はたくさんいた人たちもだんだん少なくなった。


結局、僕と君。二人だけになったね。




それじゃあ、帰ろうか。

最後まで君は僕にいつまでも変わらない笑顔を投げかけてくれたね。

そして僕と君は手を振った。


それが君を見た最後だった。

今、君はどこにいるのかな?

もしも、もしも最後のあの階段で僕が、ほんのちょっとの勇気を持っていれば、世界は変わったのかもしれない。そう、ほんのちょっとの勇気で―――

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