第6話: 最強ハムスター、復活!
2085年──。
地球は再び恐怖に包まれていた。
「こちら管制室!未確認飛行物体が地球上空で分裂、降下を開始!」
それは、Ω-REXの亡霊だった。
自己修復機能により、ついに復活を遂げたΩ-REX。今度の標的は、5000年の未来ではなく現代の地球だった。
「フハハハハ、ハムスターども……貴様らの英雄はもういない。地球は我が支配する!」
ロボット軍団が各地の都市を蹂躙していく。
逃げ惑う人々。
「……くそっ!」
タケルは苛立ちを隠せなかった。
彼は2085年への帰還後、Ω-REXの破片を研究するための組織のリーダーとなっていた。
タケルは研究所へと急いだ。
解析のために保管されていたはずのΩ-REXの破片が何者かによって持ち去られていた。
「ポコ……俺は一体どうすればいいんだ……。」
静かに呟いたその瞬間、ペンダントが淡く光り始めた。
「……タケル。」
懐かしい声が響く。
「ポコ……!」
その時、タケルの心の中にポコの最後の言葉が思い浮かぶ──。
「大丈夫だよ。ボクはずっと君の中に──。」
タケルは微笑み強く頷くと、ペンダントの中の金属片に手をかざした。
「もう一度、一緒に戦ってくれ!」
眩い光が研究室を包み込む。タケルの体が金色の光に包まれ、再び小さな姿へと変化していく。
──最強のハムスター、復活。
──────────────────
Ω-REXの巨大要塞が東京上空に降り立った。
「抵抗は無意味だ、人類よ。我がロボット軍団に跪け!」
その時、夜空に一筋の光が刺し、月光を切り裂くように、小さな影が現れた。
「それはどうかな?」
Ω-REXが振り向いた瞬間──。
「ハムスター・バーストブレード!!!」
閃光が走る。
タケルとポコの心が一体化し、最強のハムスターへと進化を遂げた姿である。
「な……何!?」
Ω-REXが驚愕する間もなく、タケルは次々とロボット軍をなぎ倒していく。
ビルを駆け上がり、空中を舞い、鋭い爪で敵を粉砕する。
「Ω-REX、お前はもう終わりだ!」
Ω-REXの胸部コアが露出する。
──今がチャンス!
「ポコ、いくぞ!」
「うん、タケル!」
二人の魂がシンクロし、最強の一撃が放たれる。
「ハムスター・アルティメット・ブレイザー!!!」
黄金の粒子を身にまとったタケルがΩ-REXを貫き、巨大な爆発が巻き起こった。
Ω-REXの残骸が、地上に降り注ぐ。
「やっと……終わったんだ……!」
タケルは静かに微笑んだ。
しかし──。
「……タケル、君は人間に戻らなきゃ。」
ポコの声が優しく響く。
「え……?」
「ボクがいる限り、君はハムスターのままだよ。でも、もう地球は救われたんだ。君には……人間として生きてほしい。」
光が再び彼を包み込み、タケルの体が元に戻っていく。
「ポコ……!」
「大丈夫。また会えるよ、きっと。」
淡く光る胸のペンダントに微かな温もりを感じた。
「ありがとう、ポコ。またな。」
タケルは再び日常の生活に戻った。
そして、彼は未来へと歩み始めた……。