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第5話: 友情の証

 ハムスター王国は再び戦火に包まれていた。

 

 死んだはずのΩ-REXが再び蘇り、ネオ・メカニア帝国の軍勢を率いて侵攻してきたのだ。


「今度こそ、お前たちハムスター王国の最後の時だ!」


 Ω-REXが声高らかに叫ぶ。


「そんなことさせるか!」


 タケルは雄叫びを上げ、仲間たちと共に最前線で戦った。彼らは小さなハムスターだが、その心は決して折れなかった。


 激戦の末、タケルたちはΩ-REXを追い込む。往生際の悪いΩ-REXはネオ・メカニア要塞最奥の部屋に逃げ込んだ。


「隊長!雑魚兵は俺たちで食い止めますから、奴を追ってください!」


「わかった!しっかり頼むぞ!!」


 タケルはΩ-REXを追って部屋に入った。と同時に彼は目を見開いた。なんと、タケルが乗ってきたタイムマシンに非常に酷似したものが部屋の中央にあったのだ。


 Ω-REXは、まさにそのマシンに乗り込もうとしていた。


「我がネオ・メカニアの科学技術をもってすれば、タイムマシンの修理など容易いことだ。」


「タイムマシンを直してどうする気だ!」


「決まってるだろ。お前の時代までタイムスリップして、まだ進化する前のハムスターたちを殲滅するのだ!」


「そんなこと、させてたまるか!」


 タケルは最後の力を振り絞り、必殺の「ハムスター・バーストブレード」を素早く叩き込む。トドメを刺そうとしたその瞬間──


「今だ!」


 Ω-REXから発せられたビームがタケルを貫いた。


 そして、気がつくと、タケルはポコと分離していた。


「フハハハハ、最強ハムスターでなくなったお前など、恐るるに足らずだ!」


 そう言うと同時にΩ-REXは自らの自爆スイッチを作動させた。爆発まで残り1分も無い。


 助かる唯一の方法は、タイムマシンで脱出すること。タケルは急いでポコを手に乗せタイムマシンに乗り込んだ。マシンを起動させると周囲を電磁波が取り囲んだ。


「させるか!」


 Ω-REXがハッチをこじ開け入ろうとしてきた。


 ──その時。


 ポコがΩ-REXの顔に飛びつき奴の侵入を阻止しようと奮闘する。


「ポコ、帰って来い!もう間に合わない!!」


 その時、タケルの心の中に優しい声が返ってきた。


「タケル……ボクのことは心配しないで。」


「でも、お前は……!」


「大丈夫だよ。ボクはずっと、君の中に……」


 タケルたちは大きな爆発に巻き込まれた。


 タケルは気がつくと、研究施設の床に倒れていた。


「……俺は……。」


「タケル君!」


 研究員たちが駆け寄る。


「戻ってきたんだ……2085年に……」


 彼の横には、Ω-REXの破片が転がっていた。

 

 その技術は後に機械工学の未来を大きく変えることになる。彼は研究員から与えられたミッションを遂行したのだ。


 タケルは全世界から称賛された。


【5000年の未来から帰還した英雄】と。


 夜、タケルは勲章メダルを手に夜空を見上げた。


「ポコ……これは俺とお前、二人のものだ。」


 静かな風が吹く。まるでポコが隣にいるかのようだった。


 タケルは首にかけたペンダントから、かじられた後のある金属片を取り出す。


 それは、ポコが最後に残したものだった。


 タケルは静かに微笑んだ。


 遠い未来に残してきた仲間たち。

 そして、最後まで共に戦ったポコ。


 彼らのことを忘れずに、これからの人生を歩んでいくと誓った。


「ありがとう、ポコ。俺たちはいつも一緒だ。」


 そしてタケルは、未来へと歩き出した。


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