学園襲撃
「キミ、結局昨日はどこにいたの?」
「普通に寮の部屋やけど?」
食堂の冷蔵庫から杏仁豆腐を取り出して皿に移す。
ここにも誰もいないから勝手に使ってる。なんか食べなきゃ戦えねーからな。
それにいいって紅葉が言ったし。あいつがいいならいいだろ。
「あ、そう。……せめて報告くらいしてくれ」
「なんで?」
「……キミにそういう事を言っても無駄だったね。忘れていたよ」
投げやりに呟いた紅葉の言葉は聞かなかった事にして、杏仁豆腐をスプーンで掬って口に運ぶ。
冷たくて美味しい。
「良くないけどもういいや。ボクこれから裏世界に行くから。キミがどうすればいいかは多分夜鴉が教えると思う。それまで待ってて」
「OK」
手を振ってどっかに転移した紅葉を見送って、食べながら亜空間から本を取り出した。
あの裏世界の奴らから奪ってきた能力の一つ【写映変錬】で能力を改変させられるらしいから、それを更に改変して増えまくった能力の片付けでもしてみようかと思ったから。
別に能力がいらないとか言いたいわけじゃない。ただ増えたやつを出来るだけ纏めようとしただけで。この先も同じような事があるやろし、多いと私がめんどいだけやから減らしたいだけ、なんやけど。
「これ出来ねーのか?」
そもそも基盤が改変できなかったから、私がやろうとしてた事も出来ない。なんでなん?
「えーどしよ……」
そもそも能力改変って纏められる訳じゃねーのか?まあ改変だもんな。どーしよ、ほぼ使ったことない能力とか全然あるんやけど。こんないらねーし。
自分が把握できなきゃ使えねーのに、初段階ですっ転んでたら実質無いのと同じだろ。
こういう時はあれか、やっぱ専門家に聞きに行くのが一番いいか。
専門家って言えば雨飾。あいつは保健室とかにいるんだっけ?行ってみるか。
「……?」
なんて思いながら椅子から立ち上がろうとしたその時、得体の知れない違和感に、いや、なんだ、これ。
身体の所有権を奪われる、よう、な?
とりあえず、無影絶封で無効化してやり過ご────
「──あ、…れ?」
魔力が減ったと同時、私の意識は底に沈んだ。
─────
不意に感じた違和感に、夜鴉はゆっくりと椅子から立ち上がった。
能力、或いはそれに準ずるものの類いの影響だろうか。
『……雨飾』
『君が言いたいことは何となくわかるよ』
念波会話に即座に応じた彼の声も、どこか真剣味を帯びている。
何が起きたかを尋ねようとした、その時。
突如、生徒会室の壁や天井が吹き飛ぶ。
そして、それを起こした赤色の影は、降り注ぐ瓦礫を縫って夜鴉の頭上へと跳び上がった。
「っぐ……!?」
繰り出された飛び蹴りを両腕で受け止めるも、力に押され床を滑る。
──重い。
『夜鴉?』
『悪い、後で行く』
それだけ伝え、念波会話を切断する。
何があったかは分からないが、少なくとも目の前の人間が正常でないのは確か。
襲い掛かってきた影星を力ずくで跳ね除けると、地面を蹴った。
あけましておめでとうございます!!(3月)
今年もよろしくお願いします!!!!
去年半分書いてたんです……




