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戦闘狂の異世界記録  作者: 茜音
異世界戦闘記-表裏一体-
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襲撃者

 世界の中を駆け回る。速く、あいつの元に戻らないと。

 その一心で闇雲に突き進んでると、視界の片隅に不思議なものを見かけた気がして立ち止まる。


 それは、檻だった。


 ほとんど同じような色なのに見分けられたのは身体増強のおかげか。

 その中には、なんか見た事ある黒い球体が入ってた。


 ……どこで見たんだ、これ。


 記憶を遡りながら、檻に近付く。


 後数歩の所で、目の前に何かが形成された。

 それは、5m程の人型に変形する。

 足が短く、反対に腕は地面に着く位に長い。

 目も鼻も口も無い、顔の前後も分からない。

 はっきり言えば不気味だ。


 まあでも、こいつは敵やし、邪魔やし、殺しても問題なさそうやからとっとと殺るか。


「言葉がわかんならそこ退けよ」


 一応言ってはみるけど、分かる訳なく、そいつは無駄に長い手を振り上げて、無造作に私に向かって降ろす。

 それを右に躱すと、バズーカを取り出して拡大し、魔力を注ぎ込んでぶっ放す。

 デカい分、動きは遅い。

 命中した魔力の奔流は、体の一部を削り取る。が、一瞬で穴が塞がった。

 再生能力まであんのかよ、厄介だな。


 ま、でもいっか。


「そっちの方が楽しめそうだしな」


 さっきまでは私一人だったから、魔力管理にも気配らなきゃならなかった。

 けど今は違う。なんせ相棒がいるんだ、あいつなら私の多少足りない部分なんて余裕で補ってくれる。

 だから今、私がやるのは──



 足が、腕が、体が、髪先まで、全身が暗闇の中で紅く浮かぶ。揺らめく光が、薄らと周囲を明るく照らす。


 【狐火(きつねび)(おくり)】の効果の1つ、炎化(えんか)

 自分が炎になる事で、物理攻撃は効かなくなるから相手の攻撃方法が限定される。触れれば当然熱い。

 発動中は魔力がずっと削られるし、そもそも私の能力じゃなくて【深淵の断罪】で奪ったものは魔力消費量が多くなる。

 今の私の魔力は9割ちょい、現在進行形で減る魔力と照らし合わせて考えれば、持続時間は1時間強、ってとこか。


 余裕だな。


 それに試したいこともある。それが出来れば、時間の短縮にもなるし、結果的に魔力の消費を抑える事にも繋がる。


 地面を蹴って、巨人に近付く。目も耳もないのにどこで感知してるのか、横に腕を薙ぎ払うも、今の私には効かない。鈍い動きの中に出来た大きな隙を狙って蹴りをぶち込んだ。

 手応えはいい感じだ。普通に蹴るより火力も出てる。

 炎化中、相手からの攻撃は効かなくても、私からの攻撃は通るみたいやな。その分、水とか食らったらタダじゃ済まなさそうやけど。

 まあ、こいつ相手ならこれでいける。一方的に嬲り殺しに出来るし、勝ちは貰ったも同然だな。


 攻撃を仕掛けようとした瞬間に、素早く懐に潜り込んで、【星達の不純物】バフモードを起動。左手を握って力任せに一発、振り切った。


「……」


 直撃した、と思ったと同時、声も上げずに塵になってその場から消えた。終わったらしい。

 炎化とバフを解いて戻ると、檻を持ち上げて退かす。適当な場所に放り投げて、中に入ってた球体を触った。


 特に変化なし。


 少し力を入れて叩いてみると、軽い音が鳴った。全くダメージはなさそう。

 もっと力を入れて殴ってみる。重々しい音が鳴った。傷1つも付いてない。

 となると、これしかないか。

 右手に持ったバズーカに魔力を込める。それに銃口を向けた時、「見た事ある」への回答を得た。


 これあれだ、一ヶ月前に魔界で見たあの黒い奴だ。

 ってことは、この世界はあの時ちょっかいかけて来た奴の場所って事か。なるほどな。

 ま、だからなんだよって話ではあるんやけど。


 気になってたことも無事解決したから、魔力を発射する。暫く当て続けてると、球体がチカチカと点滅を始めた。

 その数秒後、パン!みたいな軽い音がして、バラバラに弾け飛んだ。

 壊れた……でいいんか?


 とりあえず、こっちは終わったみてーだし、とっとと穂の方向かいますか。


 モジュールの<飛行能力付与>で空間内を飛ぶ。暗いし代り映えしないせいで方向感覚が狂いそうになる。

 どこに向かって飛んでんのかが分かんねーな……確かこっちから来たはずなんやけど……

 一旦止まって辺りを見渡した時、見覚えのない光が舞ってるのを見つけた。


「あっちか」


 光のある方に穂あり。多分。違ったらそん時はそん時。

 そんなことを考えながら、私は目印の方へ飛翔を再開した。



 

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