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戦闘狂の異世界記録  作者: 茜音
異世界戦闘記-表裏一体-
40/76

4週間の猶予期間

 話し合いした次の日から、紅葉(くれは)とのタイマン特訓を始めた。

 私は武器能力その他でもなんでもあり、紅葉は素手オンリーの縛り、しかも分身体。

 なんでも本体だと不都合、らしい。詳しい話は聞いてねーけど。

 ちな毎回ボッコボコにされて1回も勝った事がない。なんで?おかしいだろこいつ。

 紅葉曰く「影星(かげほし)って脳筋だよね」だってさ。嘘だろ私そんなに単純バカか?


 それが終わったら、今度は念波会話(テレパシー)のやり方、魔力の精密操作の練習、身体能力と持久力を鍛える。無駄に体が頑丈なせいで全く容赦なかった。加減の2文字があいつの辞書には無いらしい。


 後は、前に魔界でぶっ殺したあの黒いやつ、合計8コスト。

 それを使って自己強化した。


=====

生命力増強

 ・虚妄世界(サブ・ディメンション):Lv4

 ・魔界:Lv3


魔力増強

 ・虚妄世界(サブ・ディメンション):Lv4

 ・魔界:Lv3


身体増強

 ・虚妄世界(サブ・ディメンション):Lv5

 ・魔界:Lv5

=====


 ……うん、確かに脳筋かもしれねーわ。


 まあ私が脳筋かどうかはどうでもいい。


 紅葉とのタイマンとは別に、実は夜鴉(よがらす)にも体術オンリーで稽古してもらおうかと思ったんやけど、なんでか会わないんよな。紅葉に聞いても知らねーって言われるし、マジでなんでかはわかんねーんよ。

 でも多分あいつ、紅葉以上に本気で来る気がするからやっぱ辞めといて正解なのかも。戦闘前に死ぬとか本人からしたら微塵もおもろくねーよ。流石の私でも嫌だしな。


 そういや体術で思い出したんやけど、私の能力の1つ【人体強化(じんたいきょうか)モジュール】はまだなんもしてなかったから、生体記録板(せいたいきろくばん)に<攻撃力上昇><防御力上昇><飛行能力付与>のチップを入れた。上限3つやから、とりあえず無難に有用なもの。


 舐めプするつもりは無い。楽しみなのは事実やけど。

 向こうは大魔王のリーダー……紅葉に対して宣戦布告してきてるわけだし、それなりの覚悟は相手にもあるはず。

 そんな考えで、私は死にかけで紅葉に鍛えてもらってた。



─────


「……明日か」


 宣戦布告を受けてから、明日で1ヶ月。……裏世界との戦争開始の日。

 夜、シャワーも浴びて、後は寝るだけ。

 ベッドの上で外を見ていると、不意に寮の部屋のドアが叩かれた。

 こんな時間に誰だ?と思いながら、ベッドから降りてドアを開けると、暗闇に映える赤いツインテールの持ち主が目の前に立ってた。


「な、(みのる)!?」

「悪いな星辰(せいしん)、こんな夜に来て」


 みのり、改め穂。

 私の親友で相棒やけど、住んでる所はヘヴィーの家だろうし、なんでここに……?


「大丈夫だぜ、でもどしたん?」

「いや……ちょっとな」


 歯切れの悪い穂に、私は首を傾げる。

 そもそも、穂と会うのは1ヶ月振りなんだよな。最後に会ったのは……ヘヴィー達と魔界に行った時やし。

 けど、言いたい事は結構バッサリ言うタイプじゃなかったか?魔力ないって話した時も、割と簡単に心決めてた気がするんやけど。


「……入るか?」


 何言いたいかは全く分かんねーけど、外で話すよりは中の方がいいかと思って訊いてみる。

 穂も、小さく頷いて、部屋の中へ上がった。


「で、どした?」


 相変わらず机とベッドしかない部屋の中。ベッドじゃなくて床に正座した穂。私だけベッドはなんか嫌だから、私も正面に座ってやった。


「その……明日から、だろ?」

「せやな」

「だから……」


 黒い瞳を伏せて、口を結ぶ。

 だから……なんだ、一緒に戦いたいとか?いや、決めつけんのは良くねーな。

 穂が何か言い出すまで、私は無言で待つ。


「……その」


 何十秒か待って、漸く出てきた言葉の続き。


「星辰が死ぬ前に、会っときたいと思ったから……」


 上げられた瞳の中には、恐怖と不安が浮かんでいる。

 ああ、そっか。


 こいつは、相棒は、私が知らない所で死ぬのが怖いんだ。

 多分、1回自分が死んだからこそ、死の恐怖ってのは人より分かってるんだろうからな。


 まあ、私は穂を置いて死ぬ気はねーし。あいつらと会うまではそもそも死ぬつもりなんて皆無やし。

 何より。


「負けなんて見えねーから安心しろ」


 自信満々に笑って答えてやる。


 私は自分の実力を信じてる。負けるなんてありえねーし、死ぬなんてもっと考えられない。


「……そうか。その言葉、信じてるからな」


 私の自信が伝わったのか、さっきよりは不安が薄まった様で、少し黙った末にそんな言葉を言ってくれた。

 室内に沈黙が訪れる。


「なあ、穂はどうするん?」


 ちょっとだけ気まずい雰囲気を何とかしようと、私は1か月前には聞けなかった事を聞く。


「俺は……分からない。どうするかはお前に任せるってヘヴィーが」

「明日は?」

「参加しないならヘヴィーの家にいろって」

「って事は明日は戦わないって事か」


 まあ、こいつを戦場に出すのは確かに不安っちゃ不安かもな。

 実力が無いとかじゃなくて、元々私みたいに戦闘慣れしてた訳じゃねーし、物好きでもなければこんな大規模戦闘に自ら突っ込みに来るやつなんていねーか。


 ……ってかちょい気になることが出来た。


「なあ穂、お前って無限の命じゃねーのか?」


 無限の命……寿命と魂が無くなるとか、何回でも復活可能になるとか、認められた奴しかそうはなれねーけどそういう奴。

 私は永遠の寿命だけ貰ってるから、死んだらそこで終わりやけどこいつはどうなんだ?

 上限解放って寿命削るらしいし、逆に寿命だけ残ってたりして。


「あー……俺は前の世界と同じ」

「え、なんで?リザレクるのはダメなんか?」

「動詞じゃないだろそれ。……そもそも知らされなかったし、知った後は既に上限解放持ってたから、使えなくなるのは嫌だって理由でやってもらわなかった」

「ふーん」


 穂にとって、上限解放は強力な切り札なんだろーな、って事は推測出来る。だからそれを無くしたくないってのも分からなくはねーけど……

 まあこいつがそれでいいならいっか。


「俺はそろそろ帰る。邪魔しちゃ悪い」


 話が一段落ついてから、穂は立ち上がる。私も特に話す事は無かったから、外まで見送った。


「またな」

「ああ、おやすみ」


 寮の階段を下りる音を聞きながら、私は部屋の中に戻って、ベッドに寝転んだ。


 開戦まで、残り数時間。

二章開始しました〜!!いえーい!!!

改稿というかフラグも立てました、忘れてました。

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