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戦闘狂の異世界記録  作者: 茜音
異世界探索記-日常-
24/76

身体増強Lv

 カーテンを閉め忘れた窓からの光で目が覚めた。

 いい目覚めだな。さて、今日は……ヘヴィーの家行って……


 避けてた歴史でも、調べてみるか。


 備え付けの風呂場に入って、シャワーを浴びる。髪の毛までちゃんと洗って、湯は貯めてねーけどまあ、必須じゃねーだろ。めんどいし。

 髪をドライヤーで乾かして、みのりに買ってもらった黒のブラウスと、紺色のタイトスカートにガーターソックスを身に着ける。そして、黒いロングブーツ。めちゃくちゃ黒いな……

 鏡で見てみると、赤茶ロングに赤目の奴が黒々しい服着てる図で、いつもと違う自分に違和感がある。なんかあんま落ち着かねーな。こういうのって、黒乃がしそうな恰好やけど。

 でもこれなら、私って思う奴少ないんじゃねーか?多分、着物っぽいけど着物じゃない、少し変わった服も私の印象の一つなんやろ。

 この服はー……洗浄魔法教えてもらって洗えばいいか。


 身支度を整えて外に出る。この寮オートロックでほんと便利だわ。

 さてと、んじゃ家まで行くとしますか。


 そんな事を考えながら寮の階段を降りてたら、学校の方から朝には似つかわしくねー爆発音が聞こえてきた。何事だ?

 なんか……え、実験でもしてる?それか花火でも上げてる?


 階段を飛び降りて音のする方へ向かってみると、良く見えねーけど2人?が空中で争ってる?っぽい。誰が何やってんのか全然見えねー。これどういう状況だ?誰か説明してくんねーか?


 んーと……


 他の奴ら、何も気にしてねーから私も気にしねー方がいいんか?周りの奴らガンスルーやけど、気にする程の事でもない?日常の一つ?


 この世界に来て初めての情報の濁流。ここ仮にも学園やろ?なら止めた方がいいとか……あるじゃん?教師が止めるとかさ。あのナイティア(ストーキング野郎)でも、サーガでもいいとか、あるじゃん。止めれる奴とかさ、大魔王の誰かとか……いるじゃん?


「あ、おはようございます」

「あ、おはよ天萊。なー何が起こってるん?」

「ああ、大丈夫ですよ。いつもの事ですから」


 たまたま通りかかった天萊に、挨拶されたから返してついでに聞いてみる。え、いつもあんな事やってるん?誰と誰が?


「私も混ざっていいか?」

「ふふ、あの2人の間に割り込むのはダメですよ」

「ふーん、誰なん?」

「美麗と、毒舌トリハピサイコパス屑です」

「それ雨飾って聞いたぜ?」

「……そうですね」


 苦い顔で認める天萊。雨飾って、私がこの世界で最初に戦った紫髪の方だよな。あいつが何したってんだ……おもろいけどあいつはそれでいいんやろか。

 にしても、混ざっちゃダメな理由って何なんやろか。因縁の対決とか?もしそうなら邪魔する気はねーけど。


「あいつらってライバルとかなんか?」

「そうですね、ライバル(死んで欲しい相手)です」

「お前の中のライバル像どうなってんの?」


 ライバル=死んで欲しい奴にはならんやろ。つか何があったら死んで欲しいなんて思われるん?不思議でしょーがな……あーでも、もしかしたら私が殺した奴の家族は、私に死んで欲しいとか思ってるかもな。

 聞き入れる気は微塵もねーけど。


「でもなんでそんな風に言うん?」

「……それはですね」


 天萊が、むっとした表情で言った言葉は、私の想像より遥かにヤバかった。


「毎日美麗の部屋を破壊しているからです」

「…………悪い、なんだって?」

「毎日、あいつが、美麗の部屋を、破壊しているからです」

「…………聞き間違いじゃねーんやな」


 大切な事は2回言う決まり通り、しかも2回目はゆっくり言ってくれたおかげで理解した。


 どう考えてもあいつが悪いな。寝起きドッキリじゃねーんだぞ。


「聞きたいことは色々あるんよ。けど、敢えて1つに絞るなら『なんで?』なんやけど知ってるか?」


 本当は、『何で?』とか、『いつから?』とか、『そんな事して怒られないんか?』とか、色々ある。

 けど私だってこの後用あるし。

 自分で言うのもなんやけど、私より倫理観ガバい奴初めて見たし。

 何より、そんな奴の話は長々と聞きたくねーし。


「美麗が一番新参なんです。あれは、紅葉と同時期に大魔王になったんです。というか、紅葉とあれが最初の大魔王なんです。だからでしょうか……?嫌い、みたいですね。それと、美麗は”世界の意思”に認められた不老不死なので、壊れない物だと思っている可能性もあります。……何せ、人を殺す事は救いだと思っているイカレ野郎なので」

「聞いた私がバカだったわ」


 全体的にあいつやべーわ。そういや紅葉、初めて話した時言ってたっけか。

 確か……殺戮行為を取り締まってない理由で「雨飾が虐殺をしてるから。正義の執行で救いらしい」だった気がする。


 いや意味わかんねーな。「倫理観死んでる」は言われるけど、正直あいつよりは断然マシだしまともな自信しかない。

 ……下見て安心してるんじゃねーぜ。


「そういえば影星、どこに行かれるのですか?」


 天萊は、私の方を見て訊く。まだ私がこの世界に慣れてないからって、気にしてくれてるんやろか?でもまあ、気にかけてくれんのは嬉しい事やな。


「ヘヴィーの家行った後、歴史調べようと思ってるんよ」

「歴史……ですか、分かりました。では、後で私のお部屋まで来てください。学園外の図書館まで案内致しますので。504です」

「さんきゅ」


 礼を言って天萊と別れ、ヘヴィーの家まで向かう。道結構うろ覚えやけど、確かヘヴィーと一緒に歩いた道はこっちだったはず……だ。


 路地裏を出て山道に差し掛かった時、2つの対照的な色のツインテールを見つけた。私とは違う方向に行こうとしてるっぽいな。


「ヘヴィー!穂ー!」


 大声で名前を呼びながら駆け寄る。向こうも私に気付いたのか、足を止めてこっちに視線を投げた。


「影星か。どうした?」

「いや一応お前に用事あったっちゃあったけど、まーヴァリネッタでもいけると思うわ。何しに行くん?」


 すると、ヘヴィーは右手に持った袋から小瓶を取り出す。

 水っぽいけど……それにしては少しだけ粘り気がある?気がする。


「それなんだ?」

「今朝、紅葉から依頼をされてな。奇妙な魔法陣が見つかったとの事で、消滅させる手段としてありとあらゆる薬品を掛けに行く。これはその中の1つだ」

「力技すぎね?」

「それは俺も思った。けど、雨飾さんでも壊せないなら、ゴリ押ししかない、って」

「あーなんかヤバそうやな、がんば」

「ああ、お前も気を付けろよ」


 ひらりと手を振って、私はヘヴィー達が歩いてきた方へ向かう。


 大魔王でも壊せない魔法陣、な……あの施設と関係あるんやろか……でも多分、美麗はあの時のメモ、紅葉に渡してると思うんよな。

 私達が気付いたことやし、紅葉なら少し考えれば分かりそう。

 ってなると、その上でヘヴィーに調査依頼を持ち込んだ事になる、よな?

 それに、いざとなれば紅葉が行けばいいだけやし……うーん?


 まあ、考えてもわかんねーもんはわかんねー。


 ヘヴィーの家に着いた私は、ドアを叩く。

 すぐにヴァリネッタが出てきて、中に入れてくれた。


「今あいつらいないけど、それでいいのか?」

「多分大丈夫だぜ。なあ、闘争主義(キラーイズム)の強化方法とモジュールの作り方教えてくんね?」

「あー……分かった、任せろ」


 用件を伝えれば、ヴァリネッタは少しだけ考える素振りを見せて、それから頷いた。


「まずはモジュールからな。能力だったよな?」

「そそ」

「能力を作るんだったら、お前の苦手な魔力放出になるけど大丈夫か?」

「あー、まあ慣れたし平気だぜ」

「なら適当な所に向けて魔力を放出して、コントロールしてその場に留めろ」


「なんだそれ???」


 知らねー知らねー、分かんねーよ!放出した魔力をコントロールしてその場に留める?無理難題押し付けてくんじゃねー……


「難しい話じゃないと思うぜ。んー……凧上げ的なイメージでいけるはず」

「んんん……OK、試すわ」


 そっと魔力を出してみる。バズーカを使ってて慣れたし、出力は多少自由に扱えるようになったけど、コントロールするのは難しいな。勝手に魔力流れてくし……この場に……この場に…………


「意識集中させろ。余計な事考えんなよ」


 ヴァリネッタの声に、一瞬逸らしかける。

 散乱する意識をなんとか固めて、ぐっと歯を食いしばる。


 コトン、と軽い音がして板が現れる。大きさは縦16cm×横12cmの長方形。横の部分には、空洞が3つ。これが生体記録板らしい。


「出来たんじゃね?それが能力か?」

「多分な」


 興味深げなヴァリネッタと共に、生体記録板を覗き込む。


《生体記録板》

名前 ???

性別 ???

身長 154cm

体重 41kg

血液型 ???


 ……この???ってなんだよ。私の名前も性別も血液型も分かりませんでしたってか?私もわかんねーけど。


「これ、お前のステータスか?」

「そそ」

「ふーん……身長体重以外はわかんねぇのな」

「私もわかんねーからしゃーねーな」

「性別までわかんねぇのは珍しいな」

「そういうもんか?」

「そうそう」


 そんな風に感想を言い合いながら、同じ要領でチップを作る。全部Lv10のやつ作って保存した方が早そうやし。


 9個のガチャカプセルみたいな球体が、浮かびながら踊り回る。出来るまで1000秒。その間に天性(ギフト)を強化するか。


「で、これどうやるんだ?」

「うーん……前例がないんだよな、このタイプ。考えられるのはあれだな……本のページに魔力を送る。とか」

「んじゃ、ちょい試すわ」


 本を呼び出すと、身体増強のページを開く。まだ何も書いてない。

 えっと、殺したのは鍵奪ってきた奴4人と遊びに行った帰りの6人で合計10人?

 Lv5になったらコスト増えるし……5まででいっか。


 ページに手を合わせ、魔力を慎重に注ぎ込む。

 文字が浮かびあがって、数字がどんどん更新されていく。

 1から2に、2から3に、3から……書き換えられて行って、数字が5になった時に手を離した。


=====

身体増強

 ・虚妄世界(サブ・ディメンション):Lv5

=====


「出来……た、ぜ」

「お、良かったじゃねぇか。それで、何となく変わったか?」


 少し腕を動かすと、風が起きた。


 ……風が起きた?何事?


「強化され過ぎだろ!いや、2乗が5回分だもんな……」


 倒れた椅子を見て、ヴァリネッタは呟いたり頭を抱えたりした後、何かを諦めた様に嘆息した。


 その後、残った6のコストは生命力増強に3、魔力増強に3振った。


=====

生命力増強

 ・虚妄世界(サブ・ディメンション):Lv4


魔力増強

 ・虚妄世界(サブ・ディメンション):Lv4


身体増強

 ・虚妄世界(サブ・ディメンション):Lv5

=====


「にしてもこれ、ヤバそうだな……絶対力加減はしろよ」

「分かってるわ、流石に気を付ける」


 ヴァリネッタに釘を刺されるも、反論する理由も無いし、何なら私までヤバいと思ってる。

 あーあ、どしよ。

Lv1に加算式なので、多分Lvは合ってると思います……

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