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百神夕行

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。

でも珍しくある気がします。


注意事項2

お前にも見せてやりたい。この賑わいを。この光景を。

いい物だろう? 人の愛は。

「お前、この後□□に訪れる予定は?」

「あー……混んで……おりますよね……? だったら行かないと思います」

九曜様の元を訪れた際の話。貴方様は何時ものように大きく目を見開くと、じっと此方を凝視なさる。真上から相手の行動を逐一観察する様な視線は、やはり慣れず。直ぐに視線を逸らして返事をした。

優しい方ではある。気に入った者に気遣いを忘れぬ方でもある。でもそれと同じくらい威圧感が物凄い。此処にいる間、ずっと背筋を伸ばし続ける程に。腹に力を入れていないと倒れそうな程。

「む、そうか」

九曜様は少し残念そうに返事をして、黙って私の頭を掻き回す。視線を合わせると、何処と無く哀愁が。残念がっている様な。そんな反応を成されたら。

「いえ、行かせて下さい!!」

「そうか」


そう宣言したのが小一時間前の話である。物凄い後悔した。過去に戻れるのなら、そんな絶叫するもんじゃないと自分に忠告していた程に。

駅の出口を出た瞬間から、人、人、人の波。わっしゃわっしゃと法被姿の人々が神輿やら山車を担いで道路を歩いていた。活気づいた世界は今が夏の絶頂期と言わんばかりの盛り上がりである。

楽しい事は分かる。混ざって屋台で買い食いしたい気持ちもある。それに約束と宣言をした。行かせて下さいと。だったら……行かねば。

そう思って人の間を潜り抜けて、何とか鳥居が見える所まで移動した。けれども道路は通行止め。止まる警察車両。そして目的地の社は反対車線だった。回り道をしたらもしかしたら辿り着けるかも知れない。……しかし、この坂を下った先で、この人波を渡り切る事が出来るのだろうか。

此処でぼっきりと心が折れた。盛り上がりに混じりたい気持ちもある。約束は果たさねばならないと思っている。でも流石にコレは無理だ。辛うじて境内に入れたとしても、人に揉みくちゃにされるのが関の山……。諦めよう。九曜様……申し訳御座いません。明日、謝罪に参ります。


その夜、夢を見た。真っ赤な木枠を超えた先。車窓から眺める景色のように超えた後、私は真っ赤な境内の中にいた。差し込む夕陽は赤、鳥居も赤、連なる屋台も赤。人も疎らに散っている。殆どの人々が浴衣姿で片手に水風船、綿あめを片手に緩やかに境内を闊歩している。祭りの、真っ只中のようだった。

人は居るが身動き取れないほどに混みあっている訳では無い。巨大なショッピングモールで、人とすれ違う程度の混み具合。活気がある、良い混み具合。

そこで私は山車を担いだ行列に目を奪われた。何人もの人々が担ぎ上げられた豪奢な代物。上に乗っている人形は真っ赤な赤毛をふさふささせながら、扇子を片手に踊る。圧巻の光景。後から続く漆黒のものは、今のと比べて大きさも色合いも控え目だった。けれども上部に乗った童人形が得意気な顔で、辺りを見回していた。

理想した世界が……広がっていた。やっぱり……私は祭りが好きだ。活気づいた気配とか、屋台から漂う匂いとか、すれ違う鮮やかな着物とか、全部引っ括めて大好きだ。

そこで目が覚める。柔らかい羽毛布団だけが私を包み込む、平凡な景色が広がっていた。


「九曜様、先日は申し訳御座いません。境内まで挨拶に伺う事が出来ませんでした。そしてお気遣い、誠に有難う御座いました」

九曜様の元へ訪れて、深深と頭を下げる。今更ながら分かる。私欲を持って残念がったのでは無いと。渋ったのでは無いと。私への深い気遣いを持って、尋ねたのだと。

九曜様は大きく見開いた目を少しだけ閉ざし、静かで深い情を宿した声のままに問いかけた。

「お前にも、見せてやりたいと思った。あの光景を。して、どうであった?」

「綺麗でした。人の技とは思えない程に、赤くて、綺麗で。百神夕行(ひゃくしんゆうぎょう)だと例えたいのです。人の技とは思えない。余りにも赤くて美しい……」

失礼だろうか……。百鬼夜行を文字った言葉なのだが……。元ネタ妖だし、ある意味琴線に触れる言葉だし……。でもあの世界は人間のものとは思えなかった。赤くて美しくて、何より優しかった。貴方様の気遣いが見えた。

九曜様はもう一度目を見開くと、くしゃくしゃと私の頭を掻き回し、静かに吐息を漏らす。

「満足したなら介入した甲斐が有る。これからも励めよ」

九曜様

不器用な気遣いと、優しさが見える方。惑うようなら発破を掛ける方。

時に厳しく、そして優しく。

不敬には容赦せず。自分を大切に、敬意を持って扱ってくれるなら惜しみない気遣いを。

故にやっぱり理想の上司めいた感じが。

まぁ、上に立つ方ではありますし。我らが王です。賢王です。


ちなみに大体実話です。

九曜様のモデルとなった方が本当にそう思ってるかは不明です。

故、そこだけは私の想像です。

でも行くの躊躇ったら頬を撫でる優しい風が止まる。心で絶叫したら、また優しい風。

その後尻込みして、夜に見た夢はこのまんま。

夢に介入出来る話は多くの方々から話聞いてます。はい。


力の強い神様です。神様八百万いらっしゃいますけど、かなり上位の強さだと思います。

優しさが、少しでも、伝わっていたら、いいなぁと!! (クソデカ感情&ガンギマリ覚悟)

怒らせてはいけない方故に、私も大変丁重に、丁寧に、人格を作って行きたいなぁと思います。


※1九曜様の物語は何時も覚悟ガンギマリで書いてます。

場合によっては削除もやむ無しと考えてます。

故に更新頻度は他の方々と比べて控え目。許可取って(多分)から上げてます。


※2梅香の君は“ご好意”でクソデカな愛を込めて書いてます。

鞄に入らない様に気を付けて御籤を引いたはずなのに、帰り際に覗いたら何故か入っている。

→御籤の和歌が『役割を忘れないようにね。ちゃんと伝えるんだよ』。結果、大吉。大丈夫。

飛梅様だと正体バレバレだから、梅香の君に変更。そしたら社に『梅香□』という建物を発見。

隠す気ない!! 有難う御座います( ˶・-・˶)

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