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39、カーティスの懸念

謁見の間を出るとカーティスに手を取られ早足で廊下を進む。


ユーリアシェは足が縺れそうになりながら、何故こんなに急ぐのか分からなかった。


「出ていく用意は出来てるから、いつ凛星宮を空けろって言われても大丈夫よ。」


急ぐ必要はない事を伝えても、転ばないように腰に手を回してくれるが、足が止まることはない。


「そんな心配してない。このまま王城を出るぞ。いる物は全部スードで用意してやる。とにかくここからーー」



「お姉様!」



カーティスの話の途中で悲鳴じみた声で呼ばれる。


足を止め振り返ると焦燥したリーシェとイルヴァン、斜め後ろにランセルドがこちらに歩いてくる。

カーティスは舌打ちし、ユーリアシェを背に庇い慇懃に礼をとった。


「これは第二王女殿下。如何なさいました?」


「お姉様にお話があるの。貴方は下がって下さい。」


怒りを抑えた声で命じるがカーティスは笑顔のまま拒否する。


「それは出来ません」


「なっ·····わたくしの命令が聞けないというの?!」


「先程も申し上げましたが、ユーリアシェ様の御身をお守りする為に離れる訳にはいきません。」


「ここは王城よ!」


「何処であってもです。第二王女殿下だとて常に(・・)護衛騎士がついているではないですか。」


王城から出ることがないのに、5人の専属護衛がいる事を皮肉った。


カーティスの言葉に込められた意味がリーシェにはわからなかったようだが、引くつもりがないことを理解すると、ユーリアシェに涙目で必死に訴える。


「お姉様。こんな事になるなんてわたくしは望んでいなかったの。信じて!」


それを聞いてユーリアシェは頭が痛くなった。

誰が見聞きしていてもおかしくない廊下で言うことではない。


「止めなさい。こんな所で醜態を晒して恥をかくのは貴方よ。話なら凛星宮でしましょう。」


そう言った途端リーシェに笑顔が戻る。



まだ自分の思い通りになると信じる妹に溜息をつき、凛星宮に向かった。

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