第31話 運命の別れ道〜波乱~(1)
運命の別れ道~波乱~編6話あげます。お付き合い頂けば嬉しいですm(__)m
これからの道が見えたことで迷いがなくなり、ユーリアシェは王に面会の許可を求めた。
意外にも早く許可が下り、謁見の間に来るようにと伝えられた。
(えっ、まだ謁見の間に居てたの?あれから一刻<二時間>位たってるのに?しかもすぐに会うなんて何があったの?)
疑問だらけだが行かなければわからないので、カーティスと共に謁見の間に向かう。
扉を開けてもらい中に入ると出て行く前より異様さが増していた。
国王マドルクは渋面を張り付け王妃シルフィーラは金切り声を上げて臣下達と言い合っている。
リーシュはあれから泣き続けていたのか目が真っ赤だ。
扉のそばにいた侍従に声かけを頼む。
「第一王女ユーリアシェ殿下のおなりです。」
その声を聞いた途端、言い合いが止まり、全員の視線がユーリアシェに集まった。
怯みそうになるのをカーティスが背中に手を触れ、トントンとあやすように叩く。
(そうだ。一人じゃないってもう知ってるじゃない。)
その手に勇気付けられ、背筋を伸ばし顔を上げて一歩を踏み出す。
玉座の手前20歩の距離で止まり最敬礼をする。
「謁見の許可を頂き感謝申し上げます。ユーリアシェが両陛下にご挨拶致します。」
あえて名のみ名乗り、既に王族ではないことを貴族達に知らしめる。
「国王陛下、王妃陛下にご挨拶申し上げます。スード辺境伯が第一子カーティスにございます。」
続いてカーティスが挨拶を述べマドルクの言葉を待つ。
暫く待ってもマドルクは何も言わず体が辛くなってきたが、国王が何も言わない限り礼をとくことはできない。
どれくらい時間がたったのか、マドルクは怒りを抑えた声で言葉を発した。
「顔を上げよ」
「ありがとうございます」
痛みを訴える体を優雅に起こし、国王マドルクを見る。
「体調が悪いと言うから退室を許したのだぞ。偽りを申したのか」
「いいえ、自室で休ませて頂き回復致しましたので、手続きをするために面会を求めました。」
あの状態のユーリアシェを見ていてよくもそんな事が言えると呆れるが、それはここに集まった貴族達も同じだったようだ。
国王を非難するささやき声が僅かに聞こえてくる。それに気づいたのか咳払いをした。
「手続き?何のだ?」
惚けているのか本当に忘れているのか、どちらかはわからないがカーティスがすぐに行動しようとした理由を察した。
時間がたつほど有耶無耶にされ無かったことになっただろう。
「王太女褫奪と王族除籍の手続きです。」
あえて広間中に届くように言葉を発する。




