第16話 小説の内容
たまっていた書類もどうにか捌き、ハルシュ地方も国から代官をつけてもらい落ち着いたと、執事のイグルスから手紙が届いた。
代官がなかなか決まらず、一度だけ問題がないか確認に行ったが、イグルスが卒なく領地を回していた。もう彼が領主になればいいんじゃないの?と思ったのは内緒だ。
凛星宮(後継者が住む)の温室でユーリアシェは久しぶりに執務の合間のお茶を楽しんでいた。
こんなにゆっくりと一人でお茶を飲むのは久しぶりで周りの花を見ながらこれからの展開をどうするか考えていた。
正念場は謁見の間に呼ばれる3日後。
婚約解消とリーシェとイルヴァンの婚約締結。
そしてユーリアシェとランセルドとの婚約もこの時に決まる。
何故ランセルドと婚約する展開になるのか。
ランセルドはこれまでリーシェの婚約者候補としてずっと名前が挙がってきていた。
だが候補になっているだけで、正式に婚約者になることもなく月日がたち、リーシェはイルヴァンと恋仲になり婚約する事になるはず。
今まで候補のまま、不安定な立場に立たせていたことで、結婚も出来ずにいたランセルドに対し王家側は申し訳なく思い、ユーリアシェを降嫁させ公爵家を授ける事で、アイシェバール公爵家との軋轢を回避しようとの思惑があった。
(ここでもリーシェの尻拭いって‥‥なんかユーリアシェって使い勝手のいい便利な道具感が半端ないわぁ~。本当に何でこんな子が主人公なのよ!)
今さら言ってもどうにもならないが思わずにいられない飛鳥ユーリアシェだった。
そしてランセルドと婚約すればランセルドが婚約者としてユーリアシェの護衛騎士になり、公務も書類仕事がほとんどでほぼ軟禁状態に突入。
城に味方が居ない為に情報が遮断され、リーシェとイルヴァンがハスターバル王国に亡命したことを知らなかった。
国王夫妻はショックで寝込んだと知らせを受けてユーリアシェは国王の枕元に駆けつけると、初めて2人が亡命したことを知らされ、国王はユーリアシェに王位を譲位すると告げる。




