腹が減っては冒険はできぬってね!
今回は一息するため、短めです。
ゴブリンとして生きる事を決めた。
まずは何か食べよう。正直お腹の音がうるさい。
「何か食べ物ないかな。水は泉があるし。」
普通サバイバルとかだと水は煮沸してからなんだろうが、すごく透明だし、何故かこれは大丈夫だと確信に近い感じに思う。
それより食べ物だ。森だから虫もいるだろうが、正直食べたくない。人間だったからか人と同じような食べ物がいい。
キョロキョロと周りを見ると、木々が並んでいる。茶色の幹で鮮やかな緑色の葉っぱがついた立派な木々だ。でも真後ろにある木だけ違った。
その木は他よりも3倍くらい大きいし、白い。真下から見上げるとますますどっしりと威厳ありそうに立っている。葉っぱの色も金色とベージュを合わせたような色合いで、なんというか神々しい。
枝も立派に広がっていて、その間や先端には…。
「あれってりんご?」
見た目青りんごの果実が実っている。すごく美味しそう。
ありがたい事にちょっと背伸びしたら取れる位置にも果実がある。子供にも優しい高さだ。
果実を掴んで、ひねりながら引っ張る。意外と簡単に採れた。
泉の方に戻って、水を手ですくって果実の表面にかけて洗う。泉に突っ込むのは何故かためらってしまうからだ。
「形や硬さは、りんごっぽい。匂いはあんまりないかな?」
改めて果実を観察する。洗ったからか瑞々しさが増している。
思い切って齧り付いた。一口食べた途端驚いた!
「え!桃?!」
そう、見た目や食感はまさにりんごなのに、味は独特の甘さのあの桃そのもの。しかも甘すぎないので、そのままでもすごくおいしい!
白い木に行っていくつか取って、泉で洗って食べてまた採りに行ってを2回繰り返して、泉の水で喉を潤したらお腹いっぱいに。
満腹感から眠気が襲ってきた。ちなみに食べかすは木の近くに穴を掘って埋めた。ありがとう、良い栄養になってくれ。
「少し寝てどうするか、考えよう。…出来れば人並みの生活がしたいなぁ…」
ウトウトとそんな事をポツリと呟き、ほんのりとした温かさに身を包まれながら眠りについた。
読んでいただきありがとうございました。次回は冒険準備のため長文になりそうですが、読みたいと思っていただけたら嬉しいです!誤字脱字などありましたら、ぜひご指摘お願いいたします。