目覚めて想う
2話目です。ちょっとしんみり感を出しました。
子供をかばって車にぶつかって、目が覚めたらゴブリンになっていた。
「なんで?!ってか、声もダミ過ぎひどい!!」
あまりにも色々変わり過ぎててパニックになりそうだ。
こういう時は落ち着いて冷静にならなければと、3,4回くらい深呼吸してみる。澄んだ心地よい空気のおかげで、考える余裕がでてきた。
(まず、今の状況整理だよね。)
声に出しながら、わかることを整理してみる。
「今いる場所は森のなか、何処かわからない。ひとりぼっち。人間じゃなくなってる。何も持ってない。服は一応着ている。」
「目、見えてる。鼻も匂いわかる。音も聞こえる。手足の感触もある。」
「お腹は空いてる。食欲はあるか、そういえば…。」
ふと思い浮かぶのは、夕食を楽しみにしているであろう夫の姿。
帰ってきてただいまと言った後、必ず夕食の献立をウキウキと聞いてくる。食べている時もニコニコとおいしいよと言ってくれて、一緒の時間を大事にしてくれていた。
あまり深くは聞いた事はなかったけど、子供の頃のご飯の時間は寂しくて辛かったと言っていた。だから今がすごく幸せだとも。
「どう考えても、死んじゃったんだよね。」
人間としての生はあの時終わり、ゴブリンに転生したんだな。
ラノベとかアニメで定番になっている状況に、受け入れるしかない、未練があっても。
(突然私がいなくなって、あの人大丈夫かな?ちゃんとご飯食べるかな、まさか追いかけて死のうとしないよね?)
私も夫も両親はもういなくて、親族の人たちはいるがあまり交流がない。私達は二人きりで助け合いながら生きていた。
(ひとりにしちゃったな。でも生きていてほしいな、ずっと長く私の分も。)
もしかしたら、あの人も転生して再会しちゃったりして。まだまだ先でいいけどと、そんな事を考えていたら。
ぐうぅぅぅ。
お腹が鳴った。空腹感も増してる。
「まずは何か食べよう、そんでなんとか生きなきゃ。」
私はこっちで頑張って生きていくから、あなたも頑張って。
そう伝わるといいなと思いながら、ゴブリンとして生を踏み出した。
読んでいただきありがとうございました!これから前向きに頑張る主人公を応援してください。誤字脱字がありましたら、是非ご指摘おねがいします!




