潔癖で完璧な姉であるとお姉さまは自分のことを思っているようですが私にはそうは思えませんわ。なのに婚約破棄されたのはおまえのせいだ殿下を奪った女といわれるのは心外です。
私は侯爵の二番目の娘オフィーリア。
私は生まれてからこのかたずっとお姉さまと差別されてきました。
お姉さまのほうが上等なドレスや立派なアクセサリをお父様からもらっています。
それは小さいときに母を亡くした姉がかわいそうという理由でした。
後妻の娘である私はかわいそうじゃないと言うことですか。
「ずるいですわ。どうしてお姉さまばかり贈り物をもらうのですか!」
「我慢なさいオフィーリア、あなたは血筋がお姉さまとは違うのです」
私はずるいといってはお母さまに怒られました。
だって後妻であるお母さまは前妻よりは血筋が悪い。
わかってはいるのですがこれほどまでに贈り物に差があると私だってずるいといいたくなります。
それも10歳まででした。お姉さまには謝りましたわ それにさすがにその年になると仕方ないと諦めるようになりました。
お姉さまはずるいずるいと妹が言うのですわと泣きます。
私はあとからお母さまに怒られます。
学習しました。人のものを欲しがってはいけません。
お姉さまは相変わらずほえほえです。
いい人だ自分は優しい人だって言ってますけどそれって「何もしてない」ってことでは?
血筋が悪いといわれ続けた私はマナーや美容他のことも努力してきました。
しかし王太子の婚約者に選ばれたのはお姉さま。
まあ血筋からいえば仕方ないと思って祝福しました。
でも……。
「あんたがあんたが殿下をとったのね、いつもずるいずるいといっていたですものね!」
ある時お姉さまが実家に帰ってきて私に怒りの形相でつかみかかりました。
王太子殿下が私を愛してしまったからお姉さまと婚約解消をしたいと言っているとか……。
いや初耳です。
お父様が縁談を持ってきてくれたルクス侯爵の次男との顔合わせがあったばかりですし。
しかも彼は私を気に入ったとのことで、私もそれに良い返事を返したところです。
「私は殿下のことを愛してませんわ」
「あんたが殿下を奪ったのよ!」
お姉さまをなんとか周りの使用人を引きはがし、お父様が事情をお姉さまに聞いたところ殿下が私を気に入っているとかなんとか。
私はそれを否定しました。
「殿下がお前をか? しかし姉が婚約者であるのに」
「あの子を気に入っているからと!」
「……それが本当としても私は殿下のことを愛してませんしお断りしますわ」
私はどうして人がいないところでそんな話?と頭を抱えました。
そして殿下から私と姉、父が呼び出され。私を愛したから婚約者を取り換えろという話が来て。
私はお断りしました。その前に父が陛下に相談をしておりそれは無体だということになり。
婚約者入れ替えというのは立ち消えになりました。
しかし結局婚約は破棄されてしまい。お姉さまは実家に戻ってきました。
どうしてあんたがと毎日怒鳴られるうちにつかれてきてました。
なのであることを考えたのです。
「……私がどうして修道院に!」
「お前が毎日妹をなじりいじめているというのが噂になっていてな」
外聞が悪いと父が頭を抱えました。婚約破棄された令嬢というだけでそれなのにと怒ります。
私が噂を流したのですがね……だって毎日怒鳴られなじられ疲れ切ってましたのよ。
姉は修道院送りになりました。私はルクス侯爵の次男と婚約しましたが……。
お姉さまと何度も話し合っても意思疎通ができなかったのはなぜかしらと思うのです。
子供だった私がずるいお姉さまずるいーとあんなことを言わなければもしかしたらと……。
しかしもう時は戻せません。私はふうとため息を一つついたのでありました。
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