プロローグ
この世は金が全てだ。
人は皆、生きる為に金を稼ぐ。
人は皆、金を稼ぐ為に生きる。
人は皆、金の奴隷だ。
この世界は、金に魅入られている。
貧しき人々は、その日を生き抜く為に金を求める。
裕福な人々は、明日を裕福に生きる為に金を求める。
遥か昔、人々が働き金を稼いでいた時代は幸せだったのだろうか?
この問いに、答えられる者は限られている。それは金に余裕があり幸せを味わった者たちだけである。
「愛があればお金がなくても幸せになれる」
この言葉は現実的にあり得ない状況だ。考えてみて欲しい、もし己が人生のパートナーを決める時が来たとしようその時お金に余裕が有る者と無い者何方を選ぶ? 考える余地もないだろう、私ならお金に余裕がある者を選ぶ。誰もが同じ選択をすることだろう。
「お金があれば愛がなくても幸せである」
この言葉が真実だと世界に示したゲームこそがDMMORPG(Dive Massively Multiplayer Online Role-Playing Game) マネーモンスター(Money monster)である。
2777年に日本のメイカーが世界に現実を教えるかのように制作、販売をした。このゲームは発売と同時に数多く存在するDMMOを嘲笑うかのような売り上げを叩き出し、一躍トップに躍り出た。
マネーモンスターの魅力の一つが膨大なデータ量だ。
通常のDMMMORPGであれば決められパターン通りにしかストーリーを進めることが不可能だがこのゲームばPCの行動がストーリーを進める鍵となり、その道すじは無限と言われている。
さらにプレイする上で最も重要な事がお金である。このゲームの面白い所がお金=好感度となっており、NPCの反応も、持つ者と持たざる者では、違ってくる。大抵の問題は、お金で解決が可能である。
人間社会を舞台にしてるので種族は人間しか存在しないが、『王族』『上級国民』『一般国民』『下級国民』『奴隷』とランクが分かれており格差社会が存在する。これらのランク決定は初回登録時の課金額で概ね決まる。
フィールドも現在世界が舞台だ。
この様な様々な魅力が合わさりDMMMORPGといえばこのゲームと言わせるまでの人気を築いたのだ。
このゲーム開発元の有名な発言、「地獄の沙汰も金次第」は正にこのゲームの事であろう。
この様な様々な魅力が合わさりDMMMORPGといえばこのゲームと言わせるまでの人気を築いたのだ。
だが、それも一昔前のこと。
今の世界は、全てが平等となり。
人々は堕落し、惚けている。
そして今日このゲームは、サービス終了を迎えようとしていた。