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Blame the Renegade

 「隣町のFHセルが壊滅した」


 そんな報告を受け被害現場に駆け付けたエージェントが見たのは、かつて建物であったことが疑わしいほどに無残に崩壊した瓦礫の山。

 せめて何らかの手掛かりが無いか……そう思い捜索する中で見つけたのは、何かを隠すかのようにこと切れた白衣の男の死体と、彼の手記だった。


 ——感情と発症シンドロームの関係に関する研究。


 そう銘打たれ、純然たる興味から開かれた手記には、とある薬剤の開発について詳細に書かれていた。


 潜伏状態のレネゲイドウィルスの人為的な励起、発症。

 発症したシンドロームの抑制。

 強制的な再オーヴァード化。

 暴走する衝動と、ジャーム。


 手記の中にある実験結果は、オーヴァードとして覚醒した瞬間の環境と感情が発症するシンドロームに非常に密接に関わっているという事実を裏付け、発症時の精神状態が違えば異なるシンドロームとなることを示していた。


 ——変化するシンドロームと、それを誘発させる薬剤「シフト」。

 人工的に望まれたシンドロームを持つオーヴァードを作り出す為の研究の記録。

 そしてそれに携わり、おそらくセルを壊滅させたであろう「もう一人の研究者」の存在。


 その手記の内容について報告がなされた直後、組織に属するエージェントが任務中に襲われ、次々とジャーム化するという事件が発生する。

 しかもジャーム化した彼らは、登録されているシンドロームとは異なる特徴を有していたという。


 「まだ見ぬ可能性の先を、この手でつかむのだ」


 手記に記されていた、「もう一人の研究者」の口癖が脳裏を過る。

 オーヴァードの存在を根底から揺るがしかねない脅威は、すぐそこまで迫っていた。


 ダブルクロス The 3rd Edition

 「Blame the Renegade」


 ダブルクロス。

 ——それは、裏切りを意味する言葉。

 初めて書いたシナリオのトレーラーのリメイク版のブラッシュアップ版。

 きっかけは初心者故の疑問でした。


「感情でレネゲイドウィルスが活性化する」

「シンドロームはレネゲイドウィルスによって発症する」


 シンドロームは症候群って意味だけど、ニュアンスとしてはウィルスに罹った患者の症状ってことで合っているはず。

 有名な、何故か全力でトイレを死守しそうな名前の風邪薬のCMでもやっているように、風邪ですら人によって症状が違う。


 だから原因が同じウィルスでも、発症する症状が人によって違う。だからシンドロームが違ったり、同じシンドロームでも使えるエフェクトが違ったりする。


 ここまでは分かる。


 でも、同じ人が同じ病気に罹ったとしても、症状は環境などの原因で、その時々で変わる。


 ましてや、レネゲイドウィルスは設定として「人の感情」と密接に関わっているとされている。


 ならばPCにとって大きな転機を迎えた時、その感情の変遷に影響を受けシンドロームが変化する、なんてことがあってもいいのではないか。


 みたいな感じで主張し、GMにシンドロームの変更を申し出てみたのですが、帰ってきた返答は「ダメ」の一言でした。

 まあ、今考えれば当然ですが。


 しかしその時は納得出来ず、「無いなら作ってしまえばいいじゃない」というやっつけで書いたのがこのシナリオです。


 数回のセッションの後、異なるシナリオを作りGMをやることになりました。

 PLからの要望でFHシナリオをすることになり、「シフト」を中心にシナリオを書いたんですが、

「『シフトを自ら使いこれまでと違うシンドロームを発症したジャーム』を処理し、街に平穏をもたらす」

 というストーリーになってしまい、


「これFHじゃないじゃん、やってることUGNじゃん」


 というダメ出しの一言をPLから貰うハメに。


 うるせーバカヤロー、UGNシナリオに数回PLとして参加しただけのGM初挑戦の初心者にFHシナリオ書かせようとしたのお前らじゃねーか、とか思いつつ、2回のセッションの後そのまま僕がやる気を失う形で自然消滅的にこのシナリオはフェードアウトしました。


 個人的にシフトの設定が好きだったけど自分が続きを書く気は起きない。

 とはいえ知り合いに好き好んで続きを書いてくれる人もいない。


 ならいっそ公開して、顔も知らぬ不特定多数に委ねてしまおう、と思った次第です。


 自由に使用して頂いて構いません。シフトの設定を使ってやってみたセッションの感想等、いただけましたら幸いです。

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