ネ申
暗い。
気がつくと暗闇の中にいた。
立っているのか座っているのか浮いてるのかすらよくわからない。
何も無い。
それは嫌だ。
何も持っていないのは嫌だ。
何かを掴まなければ、何かにならなければ。
だから手を伸ばす。
何本も何本も生やして枝分かれさせ、何かに触れるために自分を広げる。
そうやって触覚を広げているうちに何かに触れた。
そうやって眼を増やしてるうちに何かを見つけた。
それが嬉しくて嬉しくて自分と混ぜた。
何かになれたい気がして、存在を得た気がして。
だからいっぱいいっぱい繋いだ。
全部全部わたしになればいいとおもった。
わたしだ。
全部わたしにするなるんだ!
「キミは欲張りだね。」
誰?
「天に出来たただの小さな染みだと思って見過ごしていたけど、ここまで大きくなられちゃ管理する身としては困るんだよね。」
天?染み?あなたは?あなたもわたしになるの?
「残念ながらそれは出来ない。だけどこのまま放っておくと我々もそうなりかねないのも事実だ。」
わたし!あなたわたし!わたしは何!?
「だから……ゴメンね?」
なにこれ?あれなに?なに?
「僕達とは本来関係のない世界さ。キミはアレにぶつかってバラバラになる。そして僕達の世界とは断絶される。」
世界?バラバラ??
「おめでとう!キミはそこまでの禁忌を侵すに値する脅威であると『判断された』のさ!」
いや!バラバラいや!わたしがなくなる!なくなるいや!!
「あぁ、とても悲しいことだね。だけどさよならだ。」
いや!!いや!!!!いや!!!!!!!!!いや!!!!!!!!!!!!!!!!
「バイバイ。」
あっ