04 王太子のアヒル 1
本日もよろしくお願いします。
私はこの国、ヴェルフィア王国王太子ブライアン・ヴェルフィア(21)である。
我が国は現在15代国王ドウルイット・ヴェルフィアを頂点に貴族が治めているとりあえず平和な国だ。
国土はエイジ大陸の南に位置し概ね温暖で過ごしやすく農業、畜産は輸出できるほど生産され。
山岳部では鉱山にも恵まれて金属加工も盛んであり海岸線も長く港も多数持ち先述の農産品、金属製品などで他国と貿易も盛んであり王国民は概ね貧困層は少ないと思われる。
さきほどとりあえずと称したのはやはり、豊かな我が国を狙う不穏な近隣諸国も在り頭の痛い問題だ。
国内においても数十年来王家として頭痛の種が存在しそれがまたここ近年物騒な様子を見せ始めた。
アヒルに出会ったのは国内視察の為とある地方に出向いたとき警備体制は充分に整えられていたはずだったが移動途中に暴漢者達に襲われあわやという時アヒルが対峙していた者の頭に落ち隙ができ私は助かった。
あの時気絶していたアヒルに近衛騎士である幼馴染のチェスター・ペイリンが
「殿下このアヒル死んでたら食べてもいいでしょうか?」
などと本人が聞いたら逃げ出すようなことを言い放ち。
どうも聞こえたらしくそれをきっかけとして。
グワッ グエッ ガッ グワッ グエーッ ガッ グワッ グエッ 大暴れし始めた
「とって食わないから暴れるな。いい子だから大人しくしてくれ」
あひるに語り掛けはじめ。
「やあ、あひる君。気が付いたかい?びっくりしてるよね。私の言葉も分からないだろうけど私は君に救われたんだよ。もし君さえ良ければ保護するよ」
「保護って、殿下こいつは近隣のあひる牧場から脱走してるんじゃないですか?このままでは泥棒になっちゃいますよ」
「ああ、所有者に交渉して買い上げるよ」
「物好きですね」
「しかし実際に私は彼のお陰で助かったのだからお互い様さ」
「王太子様のペットがアヒルになるんですね」
「それも良いだろう」
そんな成り行きでアヒルを手に入れた。
王宮に連れ帰ったアヒルには万が一を考え所有者を明確にするするために綺麗なリボンと魔術刻印を施した。
その際にアヒルより魔力を感じ。
(このアヒルは・・・)
まあ悪い感触では無かったのでとりあえず様子見だ。
名前は付けずただアヒルちゃんとかアヒル君とか呼んでいる。
アヒルは王宮生活に慣れのびのびと暮らしているようで、朝夕のんびりと餌を食み水浴び、日光浴、散歩まあ楽しそうで何より。
白い体に黄色のくちばしと足。ふりっふりっと可愛く揺れるお尻そんなアヒルの歩く姿は王宮職員の癒しにもなっているようだ。
ある日私の執務室へいつものように休憩時間を見計らいおやつを求めてやって来たアヒルが何が気に入らないのかお茶セットに向かい盛大に大暴れした。
今までそのような事をしでかしたことがない故、不審に思い魔術師団の中で国唯一の【鑑定】ができる術者を呼び鑑定した結果は。
「殿下お茶及び茶菓子に遅効性ではありますが確実に死に至る成分が混入しております」
関係者である侍女、女官、厨房の料理人その他疑われる関係者は全て拘束され。
毒味係は死んだ。
アヒルにまた助けられた。、
その後、魔術団所属のヒューバート・タウンゼントから。
「殿下のアヒル様ですが魔力持ちです。いかがいたしましょう」
報告が上がった。
王宮職員のアヒルへの感想
厨房職員
「出されるご飯を気持ち良く食べますね。殿下の御茶菓子までちゃっかり食べるのは食べ過ぎじゃないですか?」
侍女・女官
「なんたってアヒルですから汚れたままで宮殿に入るようなら屋外で飼育してもらわなきゃ。
と、思ってましたが綺麗好きのようで足も汚れていないし羽も散らかさないので助かります。
その上あのお尻フリフリがキュートです」
廊下を通る文官・武官
「さすが殿下のアヒル様です良い躾をされている。廊下の端を邪魔にならないように歩いてますね。
好感度抜群です」
毎日、定時投稿される方は本当に優秀ですね。
私はもう・・・息切れが(ゼーハー)・・・今後不定期投稿になるかもしれません。
見捨てないで下さい。
よろしくお願いします。