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アルヴァース・クリエイト 〜異世界適当創世記〜  作者: 神在月
序章 世界創造
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理解不能な出来事

『ありがとうございますニャ!創造神様』


 目から、アニメのような涙を流したキグルミがいた。

 美人秘書を断念したことで、少し冷静になったところで、ふと疑問が浮かび上がって来た。


「なぁ。ルーシアは天人族だよな?何で獣人族みたいな容姿なんだ?と言うより獣人にも見えないんだが……」


 そう。何故か下界で生活している獣人とは、全く容姿が違う。下界の獣人は期待に応えて、猫耳さんや犬耳さんで顔は人間に近いのだ。今目の前のキグルミ娘は、表現が難しいが、ゲームで出てくるケットシーの様な感じだ。


『え?ニャに言ってるのニャ?創造神様。これは、キグルミニャ。創造神様がケモナーだと神様から聞いてたからこの姿だと喜ばれると思ったニャ』


 え?神様?俺は?それにキグルミって?ん?俺がケモナー?何言ってんだ?また、混乱してきた。



『神様は、この宇宙をお創りになられた方ですニャ。正式には宇宙創造神様と呼ぶニャ。長いから神様と呼んでるニャ。創造神様はその中の一つの世界を与えられたニャ。私はそれをサポートする為に生まれて来ました。実はどの種族選んでもこのキグルミで出るつもりだったニャ。ただ選んだ種族でポイントが違うのは、創造神様をサポート出来る能力に差を付ける為です。天人族を選ばれたので能力制限はありません』



 ?何か語尾にニャが付かない時があるな。無理してつけてんのか?



「神様のことは理解出来たが、俺がケモナーって何だ?俺は別にケモナーじゃないぞ!」


『そんなはずありません!...…ニャ!神様は嘘を言いません!』


「無理してニャとか付けなくていいぞ。」


「......。わかりました。普通に話しますね。ですが、そんなことより神様の情報が間違っているとは思えないのですが。創造神様のお名前は、皆手ミナテ シン様でよろしいですよね?」


 ん?名前?俺の名前?ミナテ シン?


「違う、俺の名前は水無瀬ミナセ シンだぞ」


「え?ミナセ シン?そんなはずは、ありません」


「イヤイヤ、自分の名前間違えるわけないだろ」


「ソ、ソンナマサカ!!!?」


 何やら雲行きが怪しい。これはもしやあれか?小説で良くあるあれなのか?



「おい!まさか人違いじゃないよな?」


「イィエ。ヒトチガイヂャアリマセンコトヨ」


 わかりやすい!キグルミから汗出るのか?と疑問に思うがダラダラと滝のような冷汗を出している。目も大きく泳いでいる。器用な奴。


「人違いなんだな!」


 少し威圧を込めて問う。




「......大変申し訳ありません。人違いです」



 正直でよろしい。チョットシリアスな今の状況に、キグルミが果てしなく似合ってない。


「なぁ。人違いならどうすんだ?元の世界に戻れるのか?」


 正直特に元の世界に戻れなくても良かった。寧ろこの世界でノンビリ暮らしたいも思っている。

 どうせ日本では、仕事終わったら家でゲームか、アニメ、マンガのループだったし。充実していたかと言われると決して頷くことは出来ないだろう。



「申し訳ありません。創造神様...いえミナセ様は既に前の世界では亡くなられいるので、お戻し出来ません」


 だよね!定番。チョット安心した。


「ならこのまま創造神を続ければいいのか?」



 キグルミは沈黙している...。

 何やら考えているようだ。放心しているわけではない。と思いたい。

 暫く待っていたら、低い声で話し始めた。



「ミ、ミナセ様。このままこの創造神界には留まることは出来ないと思います。この空間は選ばれた方のみ存在し続けることが出来ます。具体的にいつどうなるとはわかりかねますが、近い将来ミナセ様は存在を消されてしまうと思います」



 消える?話しが違う。ここにいていいと言ってくれるものと思ってた!死ぬのは嫌だ!あれ?でももう死んでるしな。イヤイヤ存在が消えるのは無いだろう。



「な、何とか出来ないのか?」


 藁にも縋る思いで問い質す。さっきまでの余裕はない。


「一つだけあります」


「本当か!教えてくれ!どうしたらいい?」


 必死にキグルミの両肩を掴む。


「ミ、ミナセ様。痛いです。落ち着いてください。このキグルミもう必要無いですね。脱がせていただきます。ミナセ様が助かる方法とは創造神様の力の一つ、転生を使うことです」



 彼女は話ながらキグルミを脱いだ。

 中から天使な女性が現れた。


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