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アルヴァース・クリエイト 〜異世界適当創世記〜  作者: 神在月
3章 旅立ちの時
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ダンジョン概要

アルヴ歴213年4月21日

フィンシオン領~レティシア


 風の翼亭という宿屋で1泊した俺達は、聖堂に向かう。もちろん、ダンジョンに案内してもらう為だ。

 しかしヨシュア、ウォレス、ロゼッタも戦闘経験はあるが、ダンジョンには入ったことがないようだ。一旦、ファラント枢機卿にダンジョンについて詳しく聞いてから挑もうと昨日相談して決めた。

 初心者向けとはいえ、油断していると命の危険もあるからだ。確実に行けると判断してからチャレンジしよう。ダンジョン向けの道具も揃えないといけないしな。


 ……?あれ?何か変な感じだな。気のせいかな?俺ってこんなに慎重だったっけ?

 ここ最近やけに頭が冴えるというか、色んな考えが頭をよぎる様になった。もしかして、いつぞやの能力強化で知力を上げたことが効いているのかな?

 今になって考えると、何で主食を売らずにポップコーンとか売ってたんだろう?って思ったりする。幼かったというよりは、知力が低かった?いや、でも大人よりも知力は高かったが……。もしかして、この世界の人達、全体的に知力低いのか?それは十分考えられるな。


 そんなことを考えている内に聖堂についた。中に入るとすぐにルーシアが出てきた。考察はまた今度にしよう。


「シン様、おはようございます」


「おはよう、ルーシア。ファラント枢機卿はお手すきかな?」


「はい、すぐに来ると思います」

 言葉通りすぐにファラント枢機卿も聖堂奥の部屋から出てきた。


「おはようございます、シン様。昨日はゆっくりお休みになれましたか?」


「はい、お陰様で。ご紹介いただいた宿屋でぐっすり眠れました」


「それは何よりです。早速ダンジョンに案内いたしましょうか?」


「その前に、ダンジョンについて詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか。恥ずかしながら、ダンジョンについての知識が全くないのです。それに、ダンジョンに入る準備も必要かと思っていますので、すぐに行くことは難しいと考えていますが……」


「ふむ、素晴らしいですね。そこまでお考えとは。わかりました。まずはダンジョンについてご説明しましょう。まずダンジョンとは魔力によって成長する迷宮のことです。魔物や罠、そして宝箱などが迷宮内で生み出されます。ダンジョンにはダンジョンコアという物があり、そのコアがある限り成長を続けます」


「ダンジョンコア? ダンジョンが成長するんですか?」


「はい、ダンジョンコアがどうやって出来るのか詳細はまだ解っていないのですが、ダンジョンコアがあるダンジョンは、徐々に大きくなることが確認されいます。1つの階層が異常に広くなるダンジョンもあれば、地下に向かって階層が増えていくダンジョン、その両方を併せ持つダンジョンなど様々です。そして、基本的にダンジョンの最奥にダンジョンコアはあるのですが、破壊するとそれ以上ダンジョンは広がりません」


 まじで!?ファンタジーな設定だなダンジョンって。


「ちなみに、ここにあるダンジョンは既にダンジョンコアが破壊されているのでこれ以上大きくなりません。なので初心者にも入りやすいのです」


「すごいですね、ダンジョンって生き物のようですね」


「そうですね。ダンジョン研究者の中にはダンジョンは生物で、ダンジョンコアは巨大な魔石であると断言しているものもいます。証明はされていませんが」


「ダンジョンに用意していく必要のあるものはありますか? 例えば松明とか必要ですよね?」


「必要なダンジョンもありますが、このレティシアのダンジョンでは必要ありません。何故かダンジョン内の天井から全体的に光が出ており周辺を十分照らしてくれます」


 ファンタジーだな。このセリフ2回目か?


「では、野営道具や食べ物くらいでいいってことですか? 地図を描く紙も必要でしょうか?」


「そうですね。地図は私が持っているものをを差し上げます。後は、本来なら通常のカバン以外に魔物の素材を入れるカバンか袋などを持っていった方がいいのですが、シン様とルーシアには必要ないですしね」


「ありがとうございます。確かにアイテムボックスがあれば、袋は必要なさそうですね。あとダンジョンに入るのに人数制限ってありますか?」


「え? 人数制限ですか? いえ、特にそんな制限はありませんよ」


「そうですか。では今日は、1階層だけ行ってみてもいいですか?」


「わかりました。では、ご案内しましょう。ただ1階層だけだと魔物と余り戦えないかもしれません。他にも何人か冒険者を目指している方達がいると思いますので」


「では、状況に応じて2階層に降りることも検討します」


 俺たちは、ファラント枢機卿に連れられて馬車で移動する。10分位の所で止まり馬車から降りると目の前に地下へと続く階段があった。その周りは壁で囲まれており入口には天人族の門番が2名立っていた。


「これはファラント枢機卿様、何かご用でしょうか?」


「この方達をダンジョンにご案内してきただけですよ。入れていただいてもよろしいですか?」


「え?この方々ですが、見たところ小さい子供もいらっしゃるようですが、いいんですか?」


「構いません。浅い階層を少し経験するだけですから」


「わかりました。どうぞお通りください。浅い階層には兵士が常に巡回しておりますので、もし道に迷ったりされたら、兵士に聞いてください。あまり複雑な道ではないので大丈夫とは思いますが」


「ありがとうございます、ではファラント枢機卿行ってまいります」


「はい、お気をつけて。私は先に戻らせていただきますね」


 ファラント枢機卿と別れて、俺達はついにダンジョンに足を踏み入れた。

 中は、聞いていたとおり明るく十分に周りを見渡すことができた。


「さあ、皆初めてのダンジョンだ! 慎重に行こう!」






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