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アルヴァース・クリエイト 〜異世界適当創世記〜  作者: 神在月
2章 冒険者ギルドと商業ギルド
34/43

魔法訓練

アルヴ暦213年3月2日

フィンシオン城〜魔法訓練所



 ズドドドドドンッ‼︎‼︎‼︎


「おぉっ⁉︎できた……のか?」


 魔法訓練所から轟音が響く。標的にしていた魔物を模した塊はすでにそこにはなく、あたり一面大小様々なクレーターが出来ていた。


 そこには、魔法を撃った張本人のシンとルーシア、口を開けたまま動かないサーシャとロザリンド達魔法師団の面々がいた。


 今日は旅に出る前にロザリンドから魔法の基礎を教えて貰っていたのだ。何分独学なので、使える魔法の幅も狭く、更には使える魔法も無駄に魔力を使っている気がしたからだ。


 朝から魔法とはどういったものかと言うのを実践を交えながら、ロザリンドが優しく教えてくれていた。報酬はホールケーキだ。満面の笑み付きで講師役を引き受けてくれた。


 魔法とは、神に語りかけ自然からチカラを分け与えてもらい発動するものらしい。よくこの手の異世界物だったら精霊のチカラと言う解釈が多いようだが、この世界には羽人族という見た目妖精の様な、精霊の様な種族がいるため精霊のチカラではないと言われているのだ。この世界には実際に精霊は存在するのだが、魔法の触媒とは無関係である。


 ロザリンドから詠唱の方法を学んだが、基本的に詠唱は以下の項目が入っていれば詠唱文言は自由らしい。

【願う】【属性】【形】【魔法名】

 後は込める魔力の多さで大きさが変わる。


 魔法名はいらないだろ?と思ったが、発動する合図の様な物らしい。慣れてくると言わなくても撃てるようだ。俺とルーシアは元々無詠唱が出来たのは神に願う必要がないからだった。まぁね、自分に願ってもな。


 だが魔法に必要な形や大きさを具体的にイメージするだけでも使用魔力が節約出来るので、教えて貰って良かった。


 あとは、ロザリンドや魔法師団が使える魔法を披露してくれたので、俺の中でレパートリーが、広がった。と言うより全属性極めてるから、見た魔法全部使えるもんね。大変為になる1日だった。



 そして最後に俺が魔法を披露することになり、冒頭に戻る。



 見せてもらったノウハウを吸収し、創り上げた魔法が小さい燃える岩を上空から降り注ぐ魔法だ。名付けて流星群シューティングスターだ!……だめ?ルーシアの目が冷ややかだよ?


 しかし、軽く放ったつもりだったんだが、訓練所全体が結構修復に時間がかかりそうな塩梅になってる。言い換えたら壊滅的?かな……。ごめんなさい。



 漸く我に返ったロザリンドが、声を絞り出した。


「シ、シン様⁉︎い、今の魔法は何ですの?そ!それにこの威力は?」


「え?唯の岩の礫を燃やして上空から落としただけだよ。多分落下するスピードも相まって威力が上がったんじゃないかな?」

 と、適当に誤魔化そうとする。


「じ、尋常じゃない魔力を感じましたわ」


 え?そうかな?魔力も20程度しか使ってないのだが……。スキルレベルのせいか?もしや、知力や精神力が高いのも要因なのか?


 まだまだ検証したりないが、今日はこれ以上は無理だろうな……。


 最後にお詫びとばかりに創造魔法を使って、訓練所を朝の状態に戻した。その魔法でも魔法師団の面々が驚いていた。いかん、創造魔法はあんまり人前で使っちゃダメだった。土魔法と言い張ろう。


 さて、帰ろうかな……と思っていたらロザリンドに引き止められた。



「ロゼッタはこちらへ!他の者は解散とする!」


 ロザリンドが魔法師団の方に話しかけると1人の女性魔法師が俺たちに向かって歩いてきた。


 如何にも魔法使いといった感じのローブを纏い、女性の身長くらいありそうな杖を持っている。耳が尖ってる、森人族かな?見た目若そうだから、新人だろう。5歳の俺が言うのも何だが。俺の方を見て目をキラキラさせている。何だろう?憧れの人間を見る感じの目かな?


 神眼で見てみる。


 ■名前:ロゼッタ・ボールドウィン(13)

 ■性別:女 ■種族:森人族

 ■ジョブ:魔法士4/村人7

 ■状態:正常

 ■ステータス

 体力36/36 魔力56/56 筋力16 耐久力18

 敏捷23 器用28 知力29 精神力27 運121

 ■スキル

 パッシブ

 〔風魔法耐性1〕

 アクティブ

 〔弓術2〕〔採取1〕〔調合1〕〔水魔法1〕〔風魔法2〕

 ■賞罰

 なし


 うーん……。俺とルーシアが異常なのがよくわかる。これでも歳の割に高い方なんだよな。ところでボールドウィンて確か子爵家の名前だったな。しかも、ロザリンドも子爵家の娘だったはず。


「シン様、この子はロゼッタと言いまして私の妹ですわ。今回の旅に御同行させて頂こうと考えています。また、正式な場所で対面はありますが先にご紹介しますわ。ロゼッタ、挨拶なさい」


 ボーッと俺を見つめていたロゼッタは、慌てて居住まいを正し、貴族らしい礼をして挨拶した。


「は、初めましてシン様。私はボールドウィン子爵家三女のロゼッタ・ボールドウィンと申します。シン様に付き従わせていただきますことになりました。どうぞよろしくお願いいたします」


「よろしく、ロゼッタ。頼りにしているぞ。こっちは、ルーシアだ。ファラント枢機卿の長女だ。一緒に旅をする仲間だ」


「ルーシア・ファラントです。よろしくお願いいたします、ロゼッタ様」


「ルーシア様、私に様付けは必要ありません。ロゼッタとお呼びください。シン様と枢機卿の御息女のルーシアにお支えできること、大変光栄でございます」


「では、ロゼッタと呼ばせていただきますね。私のこともルーシアとお呼びくださいね」




 その後魔法に関する雑談を少しの時間行い、解散となった。ホールケーキを受け取ったロザリンドは、ロゼッタのことを忘れて我先にと帰って行ったのだった。


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