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アルヴァース・クリエイト 〜異世界適当創世記〜  作者: 神在月
2章 冒険者ギルドと商業ギルド
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初めての給金

アルヴ暦213年2月30日

シアルグラス〜フィンシオン城内


 商会を立ち上げてから約20日が経った。既に俺たちが手伝わなくても、奴隷達で対応出来るようになった。


 来客人数も少しだが減ってきた。と言うよりは、在庫切れを心配していたのだろうか。最初は結構買い溜めする人が多かったが、今はその心配も杞憂と気づいたようで必要分だけ買うようになった。


 それでも毎日白金貨2枚は余裕で稼いでいる。そして今日は月末なので、奴隷に給金を渡す日だ。


 マチス、ナタリー、ルナ、レオンには金貨5枚、マリアには銀貨3枚を渡す。


「あ、ありがとうございます。本当に頂いていいんでしょうか」

「そうね。今更自分を買い戻すつもりもないけど」

「私はずっとシン様の奴隷でいたいです」

「なんじゃこの破格の給金は?軍でもこんなに貰えないだろう⁉︎

 」

 マチス、ナタリー、ルナ、レオンがそれぞれ語る。あ、レオンには給金の話してなかった。


「まぁ、その給金はお前達が自由に使っていいお金だ。自分を買い戻すことを考えてるなら貯めておけ」


「買い戻す?自分を?」


「あ、レオンには言ってなかったな。奴隷解放条件は、購入額の倍俺に払うことだ。払えば何時でも解放する。解放後は、同じ給金で雇うが、辞める選択は自由だ」


「おいおい、金貨5枚貰える所何て他にねぇよ。ずっと世話になるさ。腕の恩もあるしな」


「残ってくれるならありがたいよ。でも一応解放条件は伝えておく、レオンは購入額3倍と腕の治療費併せて白金貨3枚な?」


「最短6年か。まぁどうでもいいや。俺は残らせてもらうし」


 計算をしているレオンを横に続けて話す。


「最短じゃないけどな。次に売上と働きに応じた賞与を与えるぞ」


「「「はっ⁉︎」」」


 みんな忘れてるらしいが働きに応じて追加で上げるって言ってたのに。


「今月の総売上は、51,359,300アルヴだった。そこからお前達を買った金額や生活用品などの必要経費を除いた利益が、41,822,000アルヴだ。約半分の白金貨20枚はギルドに預ける。更に約半分の白金貨10枚は商会の運営資金とする。もう半分白金貨10枚は旅の資金にする。残った白金貨1枚と金貨80枚を俺達8人で分けるぞ」


「え?8人ですか?」


 サーシャが聞く。


「あぁ、マチス、ナタリー、マリア、ルナ、レオン、ルーシア、サーシャ、俺の8人だ」


「私にもあるんですか?良いんですか?」


「あぁ給金ではなく賞与だからな。頑張りに報いる物だから受け取ってくれ」


 サーシャが涙目になる。そんなに嬉しいのか。


「ルーシア、サーシャは屋台の時から商店立ち上げまでだから、少し多目にした。後のみんなは最初だからマリア以外は均等にさせてもらう。では、金額を発表する」


 みんな唾を飲み込む。


「ルーシア、サーシャは金貨30枚、マチス、ナタリー、ルナ、レオンは金貨20枚、マリアは金貨10枚だ。受け取ってくれ」


 そう言って、給金以上の賞与をみんなに配る。


「こ、こんなに⁉︎多過ぎですよ」


「私やナタリーだけでなく、マリアにまでこんなに⁉︎」


「いいんだよ。マリアも頑張ってくれたし。ただ今後はお客さんも少しずつ減る可能性もあるからな。今回はサービスだと思ってくれ」


「あ、ありがとうございます。私達は本当に凄い人に買ってもらったようですね」


「よし、これで今月の給金精算は終了だ。あと来月からなんだが、今週の様に俺とルーシアとサーシャは旅の準備があるので殆ど来れない。マチスを店主代理とするので、マチスの指示に従って欲しい」


「わ、私がですか?こんな重責のある仕事に私は相応しくないと思います!」


「いや、マチスに頼む。商売経験もあるしな。そんなに重く考えるな。家族を養うという意味では、同じだよ。少し人数が増えただけさ。それに食いモンあれば、餓死は免れるし」


「ですが……。」


「決定事項だ。諦めろ。ただ優秀な奴が他にいたら入れ替えもするから」


 渋々だが、マチスも納得したようだ。当面は頑張って貰おう。



「そういえば、来月以降旅に出られた後は給金はマチスさんから貰えばいいんですかい?」


 レオンが聞いてきた。


「基本給金は、マチスに売上から渡して貰うが、賞与は俺が戻った時に渡すよ。一応30日に併せて戻るつもりだが、多少ズレるかもしれないが、我慢してくれ」


「「「???」」」

 みんなハテナが出ている。そうだよな。


「頻繁に旅から戻って来られるのですか?」


「説明してなかったな。実はあの空間魔法で創った倉庫だが、俺が創った物だから、俺だけは空間魔法でどこにいても自由に行き来できるんだ」


「本当ですか⁉︎そこまでの魔法とは……凄すぎて何も言えませんね」


 みんな頷く。


「扉を付ければみんなで移動できるが、今の所考えてないが、もしかしたら、レティシアとか繋げとくと便利かもな」


「是非お願いします!シン様!」


 ルーシアが珍しくテンションが高い。転生してても、モーリスを親として見てるのだろう。俺もレグス父さんは父さんと認識してるしな。


「じゃあこんな感じで来月以降も頼む」


 そう言って解散するのであった。帰り道商業ギルドへ行き、貯まったお金を預けた。ギルド職員と周りにいた人全員が絶句していたのは言うまでもない。


 ■預金《商業20,500,000アルヴ》


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